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平成 2年12月定例会(第23号〜第27号)−12月14日-03号

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  1. 滋賀県議会 1990-12-14
    平成 2年12月定例会(第23号〜第27号)−12月14日-03号


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    平成 2年12月定例会(第23号〜第27号)−12月14日-03号平成 2年12月定例会(第23号〜第27号)         平成2年12月滋賀県議会定例会会議録(第25号)                           平成2年12月14日(金曜日)       ────────────────────────── 議事日程 第3号                             平成2年12月14日(金)                             午 前 10 時 開 議  第1 意見書第28号(公共投資の大幅な拡大と配分を求める意見書(案))(議員提出)  第2 議第128号から議第151号まで(平成2年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか23件)(質疑、質問)       ────────────────────────── 本日の会議に付した事件  日程第1 意見書第28号(公共投資の大幅な拡大と配分を求める意見書(案))(議員提出)  日程第2 議第128号から議第151号まで(平成2年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか23件(質疑、質問)       ────────────────────────── 会議に出席した議員(46名)    1番   橋 本    正 君     2番   上 野  幸 夫 君    3番   滝    一 郎 君     4番   松 井  俊 治 君    5番   磯 部  与志夫 君     7君   山 嵜  得三朗 君    8番   石 田  幸 雄 君     9番   川 口  東 洋 君
       10番   大 林    清 君     11番   松 井  佐 彦 君    12番   野 村  政 夫 君     13番   池 野    昭 君    14番   桐 山  ヒサ子 君     15番   林    良 子 君    16番   吉 原    稔 君     17番   鹿 野  昭 三 君    18番   沢 野  邦 三 君     19番   石 橋  修 一 君    20番   川 瀬  庄 平 君     21番   浅 川  辰 巳 君    22番   奥      清 君     23番   中 村  藤太夫 君    24番   清 水  鉄三郎 君     25番   伊 藤  正 明 君    26番   奥 村  展 三 君     27番   炭 本  宣 昭 君    28番   谷 口  三十三 君     29番   黒 川    治 君    30番   清 水  藤 藏 君     31番   田 中  高 雄 君    32番   大 西  文 蔵 君     33番   桑 野    忠 君    34番   岩 永  峯 一 君     35番   西 村  政 之 君    37番   伊夫貴  直 彰 君     38番   相 井  義 男 君    39番   望 月  長 司 君     40番   栗 本  藤四郎 君    41番   大 谷  元太郎 君     43番   小 島  幸 雄 君    44番   北 川  弥 助 君     45番   橋 本  喜三男 君    46番   片 山  秀 雄 君     47番   小 林    実 君    48番   八 木  進 一 君     49番   仲 川  半次郎 君       ────────────────────────── 会議に欠席した議員(2名)    6番   森 井  慎 三 君     36番   酒 井  研 一 君       ────────────────────────── 会議に出席した説明員              知          事   稲 葉    稔 君              教 育 委 員 会 委 員 長   八 耳  哲 雄 君              選 挙 管 理 委員会委員長   小 林    隆 君              人 事 委 員 会 委 員 長   平 井  多喜夫 君              公 安 委 員 会委員長代理   木 邊    美 君              代 表 監 査  委  員   中 川  源 吾 君              副     知     事   山 田  新 二 君              出     納     長   渕 田  正 良 君              知  事  公  室  長   塚 本    孝 君              総   務  部   長   川 村  仁 弘 君              企   画  部   長   飛 彈  直 文 君              生 活 環 境  部  長   前 川  利 夫 君              厚   生   部   長   中 桐    正 君              商 工 労 働  部  長   高 井  八 良 君              農   林   部   長   豊 田  卓 司 君              土   木  部   長   宮 尾  悦 夫 君              企   業  庁   長   花 房  義 彰 君              教     育     長   西 池  季 節 君              警  察  本  部  長   野 田    健 君       ────────────────────────── 議場に出席した事務局職員              事   務  局   長   上 木    徹              議   事  課   長   林    耕 司              議 事 課 課 長 補 佐   谷    弥寿男              議事課専門員兼議事 係 長   塩 見  和 夫       ──────────────────────────    午前10時47分 開会 ○議長(岩永峯一君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────── △諸般の報告 ○議長(岩永峯一君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  議第149号議案および議第150号議案について、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会の意見を求めておきましたところ、お手元に配付いたしておきました文書のとおり回答がありましたので、御報告いたします。  次に、公安委員会委員長藤井義顯君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員木邊美君が出席されておりますので、御了承願います。       ──────────────────────────                               滋 人 委第500号                               平成2年12月13日  滋賀県議会議長 岩 永 峯 一 殿                    滋賀県人事委員会委員長 平 井 多喜夫             条例案に対する意見について  平成2年12月12日付け滋議第399号で意見を求められた条例案について、下記のとおり意見を申し出ます。                  記 議第149号 滋賀県職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例案 議第150号 滋賀県公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案  これらの条例案は、本委員会が本年10月19日に行った「職員の給与に関する報告および勧告」に基づき、職員の給与等について所要の措置を講じようとするものであり適当なものと認めます。       ────────────────────────── ○議長(岩永峯一君) これより日程に入ります。    ─────────────── △意見書第28号(公共投資の大幅な拡大と配分を求める意見書(案))(議員提出) ○議長(岩永峯一君) 日程第1、議員から議案が提出されておりますので、これを職員に朗読させます。    (林議事課長朗読)       ────────────────────────── △意見書第28号 公共投資の大幅な拡大と配分を求める意見書(案)                               平成2年12月14日  滋賀県議会議長 岩 永 峯 一 殿                        提 出 者                           中 村 藤太夫                           松 井 俊 治                           松 井 佐 彦                           浅 川 辰 巳                           奥 村 展 三                           大 西 文 蔵                           望 月 長 司                           橋 本 喜三男            議 案 の 提 出 に つ い て  平成2年12月滋賀県議会定例会に下記の議案を提出します。                  記  意見書第28号 公共投資の大幅な拡大と配分を求める意見書(案)       …………………………………………………………………… 意見書第28号         公共投資の大幅な拡大と配分を求める意見書(案)  我が国の社会資本整備を今後一層積極的に推進することは、急速に進行しつつある高齢化社会に対応するためにも、早急に取り組まなければならない最重要課題の一つである。  先般、社会資本整備の現状を踏まえつつ、平成3年度を初年度とする今後10年間における「公共投資基本計画」が策定されたところであるが、これの実施については、地方の実情が最大限配慮されるべきである。  本県においては、現下の最重要課題である琵琶湖総合開発の推進を初め、人づくり、地域経済の振興、県土基盤の整備など、活力あふれた県づくりを目指し、全力を挙げて取り組んでいるところである。  よって政府におかれては、「公共投資基本計画」の具体化に当たって、活力ある福祉社会の構築のためにも、新たに設けられた生活関連経費重点化枠の確保等により、治水、道路、下水道事業を初め公共投資の大幅な拡大および配分がなされるよう強く要望する。  以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。   平成2年12月14日
                           滋賀県議会議長 岩 永 峯 一  内 閣 総 理 大 臣  大  蔵  大  臣 あて  建  設  大  臣       ────────────────────────── ○議長(岩永峯一君) ただいま朗読いたしました意見書第28号議案を議題といたします。  お諮りいたします。  意見書第28号議案については、提出者の説明、質疑、委員会付託および討論を省略して直ちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。      (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よって直ちに採決いたします。  意見書第28号公共投資の大幅な拡大と配分を求める意見書案を原案のとおり決するに賛成の方は、御起立願います。      〔賛成者 起立〕  御着席願います。起立全員であります。よって意見書第28号議案は、原案のとおり決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決されました意見書中、万一字句等について整理を要する場合は、その整理を本職に一任されたいと思いますが、これに御異議ございませんか。      (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってさよう取り計らいます。  なお、意見書は本職から直ちに関係先へ提出いたします。    ─────────────── △議第128号から議第151号まで(平成2年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか23件)(質疑、質問) ○議長(岩永峯一君) 日程第2、議第128号から議第151号までの各議案に対する質疑ならびに質問を行います。  本日は一般の質疑ならびに質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、20番川瀬庄平君の発言を許します。 ◆20番(川瀬庄平君) (登壇、拍手)琵琶湖研究所研究テーマの選定と本県が進めます施策の関係について質問をいたします。  琵琶湖研究所は昭和57年4月にスタートし、間もなく9年になります。この間、びわ湖を中心に水質、生態系、景観など多くの分野で研究が進められ、その結果は研究報告、シンポジウムの開催などにより県民の前に提示されています。我々のところへも琵琶湖研究所ニュースなど刊行物を送っていただいております。しかし、それらの内容については、正直なところ、専門的な知識も十分でありませんから、理解ができないというのが実感であります。したがって、これから申し上げますことは、的外れの点についてはそしゃくして受けとめていただきたいと思います。  琵琶湖研究所は、要覧にも記してありますように、大学や一般研究機関とは異なり、びわ湖という美しい自然とその水資源の保全という非常に具体的な目標を持っております。また、研究テーマの選定に当たっては──これも要覧に記してあるわけでありますが──緊急度の高い研究課題を的確に見つけることとされています。したがって、私は、こうしたことからも、また琵琶湖研究所の設立経過、趣旨から言っても、基礎研究所ではなくて、びわ湖の動向、変化、行政からの要請などによって臨機応変に対応できる応用研究所的性格を持っていると理解しています。この観点から申し上げますと、琵琶湖研究所は、本県が進めるびわ湖にかかわる施策、当面するいろいろな課題に研究成果がタイムリーに寄与しなければならないし、また多くの県民がそのことを強く期待していると思うのであります。  しかし、私の目に映る現実は、残念ながら、そのような関係がうまく効率的に機能しているようには見えないのであります。もちろんデータ蓄積のための研究もありますし、研究者自身の技能を研さんし意欲を高めるための研究も必要でありますから、すべての研究成果が即施策に反映するとは考えていませんが、どうも琵琶湖研究所と行政施策との関係がびったりしていない、ずれているように見えるのでありますが、企画部長はどのように認識されていますか。  次に、研究テーマの選定についてであります。  現在のびわ湖には深刻な問題が山積しており、びわ湖にかかわる施策を担当する部署では、琵琶湖研究所で解明していただきたい課題も多々あると思います。その辺の問題点の吸い上げと整理、アクションに結びつくような的確なフィードバックが可能な研究テーマの選定はうまくされているのか否か。残念ながら私には、そのような連携がうまくいっているようには見えないのでありますが、いかがでしょうか。  吉良所長の研究所内外、学会などにおける御活躍は大変立派であり、敬意を表するところでありますが、巷間仄聞するところによりますと、研究者の皆さん方はすぐれた技術を持ち、研究に精進されていることはわかりますが、全員の総力が琵琶湖研究所設置の目的に合致しているとは必ずしも言いにくい、多少ずれているのではないかとの話も聞くのであります。行政と琵琶湖研究所との有機的、効率的な関係を構築するために一工夫すべきではないかと考えますが、企画部長の現状認識と今後の対応についてお尋ねをいたします。  次に、フロンガス対策についてお尋ねをいたします。  フロンガスは、20世紀最大の発明の一つと言われております。燃えにくい、他の物質に反応しない、化学変化がしにくく安定している、圧力に応じて容易に気化、液化を繰り返す、人体に無害、種類によっては油も溶かすなど大変便利な性質を持っているため、冷蔵庫やエアコンの冷媒、スプレー製品の圧力剤、電子回路を初め精密部品の洗剤などに幅広く使用されています。  ところが、今から15年前、フロンによる環境破壊の危険性が指摘されました。その後、確認実験や実態調査が進むにつれ、この指摘は現実のものとなり、大変深刻な環境問題を提起しています。すなわち、フロン11、フロン12、フロン113などは、大気中に放出されるとオゾン層の破壊につながり、何の対策もとらなければ、2085年にはオゾン層は半分以下に減少し、オゾン層に吸収されていた有害な紫外線は、今の2倍以上の量が地球上に達すると予測され、皮膚がんや白内障の増加など健康被害が生じ、光化学スモッグの悪化や気候の変動も懸念されると言われています。また、UNEPのオゾン層調整委員会──CCOLは、オゾンが1%減少すると有害な紫外線の量が2%増加し、その結果、皮膚がんが4ないし6%もふえると推計しています。今直ちにフロンの使用をとめても、効果があらわれるのは20年後と言われています。  こうした状況にかんがみ、昭和62年にはUNEPが中心となってフロン生産量の半減を盛り込んだモントリオール議定書が制定され、日本もこれに署名をいたしました。日本では、昭和63年に特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律が制定され、積極的にフロン規制に乗り出しました。一部自治体では、フロン規制の条例制定に向け準備が進められていると聞いています。また、フロンを使用しないスプレーなど、オゾン層の保護に役立つエコマーク商品使用運動を展開している団体もあります。  地球環境保護という大変大きな立場からの問題でありますが、その要因となるフロンガスはほとんどの家庭に存在し、私たちの身近で毎日使用し、しかも用済み後の処理は特に決まった規制もなく、放置されている現状であります。環境破壊に大きな影響を与える物質であるだけに、このまま放置すると大変なことになると心配をしております。何らかの対応をとる必要があると考えますが、生活環境部長の見解をお尋ねいたします。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 20番川瀬庄平君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎企画部長(飛彈直文君) (登壇)琵琶湖研究所についての御質問にお答えをいたします。  琵琶湖研究所は、びわ湖とその集水域の全自然環境とそこで営まれている人間生活とのかかわり合いを解明し、有効な環境保全策を見出すという大変大きな課題を与えられております。限られた人数の所員でこのように広範な課題に対応することは大変難しいことではありますが、幸い多数の所外の研究者の御協力も得て、鋭意取り組んでいるところでございます。  広く環境問題の特徴は、日進月歩の科学的知識をもってしても、予測し得ない突発的な事件として起こる場合が多いことでございます。そして、そうした現象のメカニズム自体まだまだ解明されていない点が多々ございます。このような現象に適切に対応するためには、正確な環境情報を着実に蓄積していくとともに、集水域、陸上における汚濁物質の発生と湖中への流入、全湖にわたる水質やプランクトン等の生物の挙動の詳細な観測、富栄養化の機構の根本的解明といった基礎的研究を平素から積み重ねておくことが必要でありまして、それがなくては迅速かつ十分な対応は不可能でございます。  琵琶湖研究所は、びわ湖という美しい自然と水資源の保全という大変重要な行政課題に対応しつつ、中長期的な視野に立ってこのような研究を推進することを主目的として設立されたもので、したがいまして、短期的な行政対応や応用技術開発などに多くの力を割けないことは否定できないところでございまして、御指摘がありましたのは、このような琵琶湖研究所の性格にもかかわるものであろうかと存じます。しかし、琵琶湖研究所の活動は行政施策や応用技術の開発と無縁なわけではなく、その研究成果はさまざまなルートを通じて具体的にそれらに反映されてきております。研究成果に基づく具体的問題に対する提言は、その時点時点で得られた知見をもとに関係部局に伝達され、それぞれ県行政の中にも生かされております。研究所が作成したびわ湖環境データベース湖国環境プランの基礎となったこと、あるいは現在進行中の南湖水質改善事業への助言者として重要な役割を果たしていること、また湖岸の自然浄化機能や湖岸景観に関する提言が県の湖岸管理施策に取り入れられつつあることなどは、その主なものであります。  また、研究テーマについてでございますが、現在のびわ湖およびその周辺の環境については、規制困難な面的汚染源からの汚濁負荷の増加、北湖の湖底での有機物の蓄積と深層での低酸素化、水草の異常繁茂、固有生物種の減少、湖岸改変の影響、有機物質による河川および地下水汚染の進行など、早急に対応を必要とする課題が山積しております。琵琶湖研究所テーマ設定に当たりましては、こうした行政の課題の中から、中長期的な視点に立ち、行政や県民のニーズをびわ湖と県域の全体像から総合的に把握して設定することとしておりまして、今、例と申し上げました諸課題には鋭意取り組んでいくこととしております。  なお、課題の設定に当たりましては、従来から関係部局との間で各プロジェクト専門研究員以上全員が参加し、定期的に琵琶湖研究所運営会議を持ち密接に意見交換を行っているほか、衛生環境センター水産試験場等との定期的な連絡会議で情報交換を図る一方、共同研究をも行い、これらの機関における応用研究を支援しております。昨年、ことしと発生いたしましたアユの大量死問題につきましても、水質との関係について緊急に解明すべき課題として関係機関と連携をとりつつ鋭意取り組んでいるところでございます。また、多数の県民の方々の御協力を得て、パソコンネットワークによる身近な水環境調査を行い、健全な地域環境の創造に協力するとともに、環境行政と県民生活をつなぐ仕組みの構築にも力を注いでいるところでございます。所内的には、研究員が研究相互の関連や全体的な構想について共通の認識を持つことにより、それぞれが担当する研究を効率的かつ効果的に行うことができるよう、研究員全員が参画する総合解析プロジェクトといったことも行っているところでございます。  このように琵琶湖研究所としましても努力をいたしておりますが、改めて申し上げるまでもなく、環境の問題はますます規模が拡大し、全地球的に重要性が高まりつつあります。しかも、そのメカニズムが不明確な場合が多く、科学的知見が十分でない段階で対応を迫られる場合も予想されます。そうした中で、琵琶湖研究所の果たすべき使命もますます重要になってきていると認識しております。より正確な知見を得るための高度な観測、解析技術の開発などを含めて一層研究活動を強化し、行政部局との連携を密にしながら、県民の皆様の期待に沿うようさらに努力をしてまいりたいと存じます。あわせて、研究成果は専門的なため、なかなか難しい内容のものもございますが、広く関係者に新しい情報や知見をできるだけわかりやすい形で提供できるよう、この面についてもなお一層の工夫をしてまいりたいと考えております。 ◎生活環境部長(前川利夫君) (登壇)フロンガス対策についての御質問にお答えいたします。  フロンガス対策といたしましては、大きくは2つありまして、まず生産、使用を削減、廃止すること、2つ目には使用済みのものをどう処理するかにあると考えております。  1つ目の生産、使用の削減、廃止についてでございますが、特定フロン削減スケジュールを早め、今世紀末全廃等を内容とした改正モントリオール議定書が今国会で批准される予定であり、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の改正によって特定フロン全廃に向けて規制が強化され、代替物質等の技術開発に拍車がかかるものと考えております。代替あるいは使用の禁止についてでございますが、例えば、家庭用の冷蔵庫、エアコンには少量のフロン12が冷媒として使われていますが、代替フロンとしてオゾン層に全く影響のないフロン134aが開発され、現在慢性毒性についての安全性の確認中であり、2年後には実用化されることになろうかと聞いております。整髪用のスプレー等にはフロン11、フロン12が噴射剤として使われていましたが、昨年8月から新製品については特定フロンが使用できなくなり、液化石油ガス、ジメチルエーテル等へ代替された225種のスプレーがエコマーク商品として販売されています。県における具体的な取り組みとしては、フロン使用事業者に対して、昨年オゾン保護法の規制等についての研修を実施したところであります。  また、2つ目の使用済みの処理については、日常生活で使われている冷蔵庫、クーラー、カーエアコン等の製品が廃棄物となった場合の対応についてでありますが、フロンの大気中への負荷をできる限り軽減する観点から言えば、いずれかの段階で回収等何らかの対応を進めていくことが望ましいと考えられます。例えば、カークーラーについては、県下でも一部の自動車修理工場等でフロンガス回収装置が導入され、カークーラーの修理等に当たって大気中に放出しないよう細心の注意が払われ、循環再利用がなされているところでございます。しかし、国においては、廃棄時の対応についてはまだ指針づくりが進んでいない状況であり、これら各種製品は外から見ただけでは使用ガスの内容もわかりにくく、また含まれているガス量はわずかであり、コストや作業的に見ても、今のままでは個々の製品ごとに個別のごみ処理をすることは困難な状態にあるものと思われます。したがって、何よりもまず製造業者が中心となって、処理業者や関係機関との十分な連携による対応が必要であると思われます。  御質問にもありましたように、フロンは私たちの身近な日常生活と深くかかわっていますので、地域環境での取り組みが地球規模の環境保全にもつながるとの認識のもとに、当面の具体的な施策として、県民にはフロンガスの影響についての認識を深めていただくための啓発やエコマーク商品の推奨を考えております。また、製造業者や使用業者、処理業者への指導等どのような対策が可能か、検討してまいる必要があるものと考えております。 ◆20番(川瀬庄平君) (登壇)琵琶湖研究所のことについて再度企画部長にお尋ねいたします。  企画部長の答弁を聞いておりますと、まことにそのとおりでありまして、そのとおりすんなりいけばいいわけでありますが、なかなかそのようにはいってないというふうに私は見ております。組織は人が動かすということでありますから、建前上の組織なり、そういった役割だけではいかぬので、そこで仕事をしている人がその気になってやってもらうような体制をつくっていかなければならないと思っております。  研究者というのは、もともと自分の専門分野というのをより深く追求し、見きわめたいという気持ちを常に持っておりますから、大学の研究所の学者はそれでいいと思いますけれども、琵琶湖研究所の場合はそれだけでは不十分でありまして、びわ湖というのを目標にして相手にしながら、しかも水質にしましても、生態系にしても刻々と変わっていく、予想もしないような現象が起きてくる、そういったものを相手にして、しかも先ほど部長も申し上げられましたように、研究者をむやみにふやすわけにもまいりませんから、限られた研究陣でそれに対応していかなければならないということになりますと、自分の専門分野以外のことにも、多少ずれているところについても、あえて研究テーマに挑戦してもらう、そういったことが必要になってくると思います。専門的な技能とか知識が深ければ深いほど、しかもそういったことで学位をとっておられるような研究者がたくさんおられるわけですから、そういった人たちにとっては、自分の専門分野からずれたところをやらなければならないということは、大変つらいことであり、プライドの面からも、いろいろなことで問題があると思いますけれども、びわ湖が要求する研究テーマについては、やはりそれを受けとめてもらうというようなことが琵琶湖研究所の役割、期待だと、そこが大学の研究者、学者と琵琶湖研究所の研究者との大きな違いだと思っております。その辺がなかなかうまく機能していないように私は感じます。  それはなぜかというと、やはり一番は、行政側からもっともっと琵琶湖研究所に対していろいろな役割なり要求を出すべきだろうと思っております。一昨日の代表質問におきましても、例えば、農薬の問題にいたしましても、肥料の問題にいたしましても、びわ湖の水質との深いかかわりが深刻な問題としてここへ出てきている。また、ここ数年、生活環境部でびわ湖の水に合った新しい石けんの開発を進められておりますけれども、そういった具体的な県民のつながりのあるところにおける課題にもっともっと琵琶湖研究所としての役割を発揮してもらう。そのためには、行政側から、現在問題になっているいろいろな問題点なり進めようとする施策をもっともっと琵琶湖研究所の方に提示すべきでないかと思っておりますが、その辺がもう少し弱いのではないかと思っております。先ほどの答弁 は、すらすらと聞いていたら非常にいいのですけれども、ちょっとわかったということが言いにくいものですから、あえてもう一遍質問しておきます。 ◎企画部長(飛彈直文君) びわ湖の水質の挙動なり、あるいはそのメカニズムにつきまして、まだ基礎的なことでわかっていない部分が多いということで、個々の研究員の研究も専門的な分野が多い、そうした性格の強いものが多いわけでございますが、この琵琶湖研究所は、自然科学から社会科学まで含めまして、広い範囲の問題意識を持って一体的に研究をしていくということが使命になっておりますので、御指摘のように、研究者がそれぞれタコつぼに入ってしまうようなやり方ではいけないというのは、そのとおりであろうかと思います。今、運営会議にも行政も入っておりますし、研究所の方でも集水域の研究会とか景観、生態の研究会等、それぞれ個別の研究会を持ちまして、広く関係部局に呼びかけて研究も行っておりますが、行政からの投げかけ、それに対する研究所からの回答、そういったやりとりの活発化については、さらにまたいろいろと工夫をしてまいりたいと思っております。 ○議長(岩永峯一君) 次に、3番滝一郎君の発言を許します。 ◆3番(滝一郎君) (登壇、拍手)ことしの夏は晴天に恵まれ、びわ湖を活用した遊泳客を初めとするレジャーが盛会で、観光県として面目を果たしたように思いますが、反面、水泳場およびその付近の湖岸のごみの山に目を背けたくなる光景が多かったことも事実であります。秋には台風の襲来で大雨が降り、びわ湖に流れ注ぐ各河川を通じてびわ湖に流れ出たいろいろな木材、竹材、ビニール、空き缶などが波で浜に打ち上げられて、湖辺はびわ湖岸どこへ行っても大変汚く、その量たるや膨大なものでありました。湖岸沿いに居住されている住民に聞きますと、こうした汚い状態の湖岸を、町内地先だけですが、いつも自分たちが清掃しているのだが、範囲が広くて対応し切れないと言われております。さらに、ごみの種類などでは、家庭で排出されるごみから、バイク、自転車まで捨ててある状態で、県民の良識はどこへ行ってしまったのだろうと嘆いておられました。  びわ湖は周囲235キロメートルという日本一の大きな湖であります。ことし開催されました世界湖沼会議に出席させていただいて視察をいたしました中国杭州市の西湖は、確かにきれいな湖でありますが、周囲15キロメートルの小さな湖で、びわ湖とはスケールが違うことから、環境浄化に対する考え方は同じでありましても、環境整備の方法は変えていかなければならないと思います。  現在、滋賀県が予算化している対策といたしましては、県がびわ湖の湖辺において自然公園として整備されました湖岸緑地公園および周遊基地は16施設で、これの管理、清掃についての経費は約2,000万円であり、また湖岸散在性ごみ対策として約500万円、さらに砂浜清掃に対して今年度6,100万円を投じてビーチクリーナー5台を購入、砂浜の清掃に当たっていただいております。こうした施策を展開する中で、びわ湖は大きいという認識を持たれたでありましょうし、人がまだまだ足りないということに気がつかれたと思います。さらに、湖上、湖底の清掃は専門の漁業者などでないとできませんけれども、湖岸まですべて業者に清掃を委託すれば、莫大な予算が必要なことに気がつかれると思います。だから今までこの程度しかできなかった、完全に清掃することは不可能だとするのか、それではびわ湖はよみがえらない、それではどうすればよいのか、私は次のような考え方を持っております。  県民すべて、湖岸に住む人も、山間部に住む人も、市街地に住む人も、約122万人、県民一人一人が、びわ湖が滋賀県のシンボルであり、びわ湖自体が観光滋賀の目玉になっている県民の宝であり、財産であり、誇りである、大切にしなければという気持ちを心の底から持っていただくことに努力する、このことが根本的に必要であると思います。  どうすればこれが可能になるのか。以前、手をつなぐびわ湖というキャンペーンが福祉関係の人たちの発案により、約20万人の人たちの手でびわ湖を取り囲んで行われ、びわ湖に対する認識を新たにいたしましたが、それ以上活用されていないのが非常に残念であります。私は、県民が手をつなぐだけでなく、清掃作業を兼ねた県民のボランティアの輪をつくることによって、一人一人が浜辺の環境の悪さ、水質の汚れなど、実際にびわ湖の水際に立って目認していただくことによって、これではいけないという気持ちが起こるのではないかと確信いたします。こうした気持ちこそ、湖岸、山間の区別なく、汚いものは川へ流さぬように、びわ湖の水質を低下さすものは控えようとの気持ちが起こり、石けん運動なども一段と進むのではないかと思います。こうした施策の実施計画につきましては、県行政が立案し、県事務所や市町村にも協力していただいて、びわ湖周辺環境整備のための県民びわ湖清掃デーを年6回程度実施する、そのために要する出動人員は、年間各戸1名といたしまして約33万人、1回につき5万入出動すれば、6回の清掃は可能であります。これにより、びわ湖が見違えるほど美しくなること間違いなしと確信をいたします。来年度より、思い切ってびわ湖管理担当チームを編成して、びわ湖水質浄化および環境整備に対応されてはどうかと思うのであります。  要は、県民のびわ湖を思う心を結集して、やるかやらないかであります。それを少しだけ手伝い、ルートに乗せるのが県としての仕事ではないでしょうか。湖国21世紀ビジョンの中で、琵琶湖総合開発事業の実施による湖周辺の施設の増加や水位変動幅の増大などに対処するため総合的管理体制をとり、びわ湖の適正な管理のための業務を推進するとしておりますので、一足先に業務の一部としてスタートしてもよいのではないかと思います。  滋賀県は、江戸時代の陽明学の祖、中江藤樹先生を生んだ地であります。その考えは知行合一にあります。すなわち、道徳的実践や体験による知識の確認を重んじた教えであると学びました。びわ湖の環境浄化について下水道施設の普及はもちろん第一でありますが、これと並行して、中江藤樹先生の教えのごとく、県民がびわ湖清掃体験を通じてびわ湖を大切にする気持ちを育てることに関しての考え方について、稲葉知事の所見をお伺いいたします。  また、今後のびわ湖環境整備にこれを取り入れ、びわ湖水質浄化の施策の一つにする考え方はないか、生活環境部長にお尋ねをいたします。  次に、厚生省は、国民一人一人の心に看護の心が育つように願って、5月12日を看護の日と定めようとしております。私は、昨年12月定例議会の一般質問において、高齢化社会を迎えるに当たっての看護婦職員確保対策について質問をいたしました。厚生部長は、平成元年から平成6年までに1,500人の増員確保を前提とした看護職員需給計画を立て、その充足に積極的に取り組みたいと、幾つかの具体策を挙げながら答弁されました。それ以降ちょうど1年になります。厚生部として対策に真剣に取り組まれていることは承知をいたしておりますが、看護職員の就業実態をよく見ますと、看護婦さん特有のと申しますか、ほかの職業に余り例を見ないことが判明いたします。それは、退職者が非常に多いことであります。例えば、平成元年では、新卒就業者が324名に対し、退職者が600名、平成2年の見通しでは、新卒就業者が411名に対し、退職者が626名という現状で、需給計画に基づき充足率を上げていかなければなりませんので、その差の人員数以上の看護職員をいろいろな施策の展開の中で探してこなければならないわけで、看護職員確保の難しさがここにあると思うのであります。  女性の特性を生かした職業として、学校の先生、保育園の保母さん、白衣の天使看護婦さんは、私たちの時代では女性のあこがれの職業であったはずであります。小さいときからの希望がかなって看護婦職員に就職しながら、結婚をされると、学校の先生や保母さんは退職せず引き続いて活躍されているのに比べ、看護婦さんだけがどんどん退職されているのはなぜか。このところの原因をつかみ、対処することが大切ではないでしょうか。ハーバード大学のR・E・ウォールトン氏は、仕事に従事することから得られる満足感、達成感の基準として、賃金が十分であること、残業、夜勤、出張、転勤などが私生活にゆがみをもたらさないこと、自主性を発揮でき、自分の労働と全体の関係がわかることを挙げております。看護婦さんの退職防止、離職防止に対しての示唆を与えてくれているようであります。厚生部として、看護職員に対しての退職、離職防止の具体的な対策をどのように立てて看護婦確保対策に当たろうとされるのか、厚生部長に質問をいたします。  なお、この問題は、高齢化社会を迎える我が国にとって重要かつ緊急なものであります。できる限り詳しい答弁を期待いたします。  次に、行政改革は、今日的継続的課題として避けて通れない県民の関心事であります。県ではスリムな行政を目指して改革を進めてこられ、事務事業の改善合理化や種々組織の新設、改廃を行い、県民の要望など新しい課題に対して積極的に取り組める姿勢を示されていることに努力の跡がうかがえて評価をするものであります。  ことし10月、本土を襲来した台風19号がもたらした大雨によって、県内の河川、道路などに大きな被害を与えました。災害復旧に対しての応急処置対策、また国の災害査定の準備のため、土木関係職員は真剣に取り組んでいただいております。しかし、6月議会でも申し上げましたように、平常時でも技術職員不足のため御苦労いただいている土木部の本庁、各出先事務所職員は、大変な仕事量の増加で残業を重ねても追いつかない状況であることは、御承知のとおりであります。このような技術職員の不足によって、従来からの県民の要望でことし着工されようとしている土木工事が延期になったり、極端に工事量が減ったりして、工事を待ち望んでおられた県民に大きな失望を与えております。この災害の影響は、本年だけでなく来年以降も続くであろうと思われますが、そこで土木部長に質問をいたします。  まず、平常時の技術職員の仕事量についてどのように感じておられるのか。災害復旧作業の影響は、仕事量において平時に戻るまでどの程度尾を引くと考えられるのか。さらに、過日の我が党の松井議員の代表質問の答弁で、今後公共事業費の大幅な確保を図ると言われておりましたが、現在の体制、人員でやっていける自信がおありか、お伺いいたします。新任の土木部長は滋賀県庁に長く、現場のことを十分承知されている適任の部長だと思います。率直な答弁を期待するものであります。  次に、総務部長に質問いたします。  台風による災害が起きてからは、技術職員一同、月150時間以上の残業をされて仕事に対処しておられるようであります。また、平常時でも残業が多く、県土木事務所の部屋は夜遅くまで電灯がつき、仕事を進めていただいている、こうした忙しい土木事務所の状態が世間の常識となっておりますので、県の土木事務所職員採用枠よりもはるかに少数の職員しか確保できないのではないか、残業をゼロにとは申しませんけれども、月30時間ぐらいにとめなければ、気力、体力ともに弱り、効率のよい仕事ができなくなるのではないかと心配をするところであります。行政改革による職員定数の枠の問題ももちろんございますが、道路建設、河川改良工事など住民生活と直結した仕事を担当する行政は、その方向づけとして人員の削減による一般経費の節減を図ることも必要でありますけれども、県民の生命、財産を守るという地方自治の原点である県民サービスを低下させないという点も重視されなければならないと存じます。事務職員と技術職員の違いを理解しつつ適正な増員を図り、土木行政が県民の要望にこたえた21世紀の県土の発展に寄与することを期待するものでありますが、総務部長のお考えをお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 3番滝一郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)お答えをいたします。  環境への取り組みを通してびわ湖を大切にする気持ちを育てる方策についての御質問でありますが、多くの県民の方がびわ湖の水質保全に取り組んでいただくためには、県民一人一人が身近な環境の状況を自分で確かめることが重要であること、またそうすることにより地域の環境をよりよくしていく実践活動に結びつくという滝議員の御意見には、私も全く同じ思いでございます。  最近では、台風19号で彦根地先の湖岸に流れついたごみ約25トンを付近住民の方が清掃していただいておりますし、お隣の米原町磯地区、また湖西においてはマキノ町から大津市にかけての水泳場の清掃等活発な取り組みがなされております。また、7月のびわ湖一斉清掃には、私も県民の皆さんとともに毎年積極的に参加させていただいておりますが、本年も県下46市町村で自治会や漁業組合関係者等約7万8,000人の方々が参加されております。12月1日には、毎年美しい湖国をつくる会を中心に県下一斉清掃運動が行われているほか、年間を通じ各種団体による清掃も取り組まれています。これらの運動の一層の拡大を図っていくためには、単に知識を得るだけでは不十分であり、現実の環境の状況を認識することがきっかけとなり、環境行動への参加まで、すなわち各人が環境保全に取り組むところまで進めることが大切であります。  県といたしましても、このような県民の皆さんによる環境保全への取り組みの輪が広がるように、関係各課が連絡をとり合い、支援に努めるようにいたしております。現在議論をいただいております琵琶湖保全制度検討委員会の中でも、フリーな意見として、びわ湖浄化の全県的なボランティアグループを組織する、びわ湖をきれいにするクリーンファミリー部隊を募り全県的に広げる、びわ湖に流入する川をきれいにし、びわ湖を守るために我が川のコンクールを行う、全国からヨシ刈り部隊を募り、びわ湖でイベントとしてヨシ刈り大会を行う等々の意見が出されております。まだまとめをいただくところまで至っておりませんが、今後も引き続き検討をいただき、すべての人がきっちりと明確な水意識を持ち、県民一人一人がそれに基づいて行動するという新たな県民運動の展開を目指し、そのための普及啓発や推進体制についても早急に確立してまいりたいと考えておりますし、また環境美化という観点からは、別途散在性ごみ問題懇話会でも種々検討をいただいておりますので、これらの検討結果を踏まえ、何とか目に見えるような形で具体的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎総務部長(川村仁弘君) (登壇)滝議員の御質問にお答えいたします。  県庁各機関における職員の配置につきましては、知事部局の総職員定数の枠の中で、事務事業の見直し、民間委託の拡大、OA化の推進など仕事の進め方を改善することによりまして、各部課や事務所の職員数を見直すとともに、新たな行政課題に積極的に対応できるように、必要な機関に適正な人員を配置するよう努力してまいっております。  お尋ねの公共事業の執行についてでございますが、近年地価の上昇等に伴って代替地の要求がふえるなど用地買収が難しくなってきておりますし、また地元調整等にもかなりの時間を要することから、困難さが増してきていると聞いております。こうした状況の中で、本年9月に台風19号による災害が発生しましたことから、土木部、とりわけ土木事務所の職員には大変御苦労いただいていると思っております。御承知のように、職員全体としてはここ数年定数を減らしてきたわけでありますが、こうした状況にかんがみ、土木技術職員につきましては、このところ退職者を上回った採用をすることにより、その確保に努めております。来年度におきましても、引き続き土木技術職員の確保を図りつつ、土木部各課、各事務所の事務事業を考慮しながら、適正な人員配置に努めるとともに、事務の委託化、OA化など事務の効率化を推進し、公共事業の円滑な執行を図ってまいりたいと考えております。 ◎生活環境部長(前川利夫君) (登壇)びわ湖周辺の環境整備と水質浄化についての御質問にお答えいたします。  本年7月に実施しました県政世論調査によりますと、ごみが投げ捨てられる理由については、多くの人が捨てる人の意識やモラルが低いからと答えられ、また一方で約30%の人がごみの投げ捨て経験があるとの結果が示されておりますが、一人一人のモラルの向上を図るために、ごみと生活展などの啓発活動や学校における環境美化教育を推進するとともに、湖岸クリーンアップ活動やごみのないまちさわやか事業など県民の実践活動の支援に努めているところでございます。先ほど知事がお答えされましたように、今後とも県民の環境保全行動の輪が広がるように精力的に取り組んでまいらねばならないと考えております。  こうした県民への働きかけと同時に、行政が主体性を持って、湖岸を初めとする散在性ごみ対策を進めていくこともまた重要な課題であると存じます。散在性ごみの問題は、法的には一般廃棄物に位置づけられており、市町村において各種の取り組みが行われ、中には美化条例の制定や湖岸清掃活動などを積極的に進めていただいている市町もございます。県におきましても、こうした市町村の取り組みをさらに進めていただくために、ビーチクリーナーの導入やクリーン缶バック事業、散在性ごみ回収容器等設置事業などの施策を講じてきたところであります。  しかしながら、湖岸のごみが放置されたままになっていることに端的に見られますように、市町村の取り組みだけでは散在性ごみ問題の解決は困難であります。市町村に加えて、県、土地の管理者、事業者、県民がそれぞれの責任や立場から総合的、一体的に取り組まねばならないと存じます。このため、現在散在性ごみ問題懇話会を設置いたしまして、使い捨て容器の減少方策や回収システムの整備、清掃システムの充実などについて検討を進めていただいているところであり、規制のあり方、実施対策の確立、推進体制の整備といった点について具体的にどうあるべきかのまとめの作業を経て、今年度末には報告をいただく予定になっております。この懇話会の報告をもとに、環境整備のための各種の事業の推進に努めてまいりますとともに、御提言の趣旨を踏まえ、県民参加による実践活動の一層の拡大を図ってまいりたいと存じます。 ◎厚生部長(中桐正君) (登壇)看護職員対策についてお答えいたします。  看護職員確保対策につきましては、昭和63年を起点にいたしまして、平成6年度を目途といたしました看護職員需給計画を策定し、その達成に向けて、看護職員の養成確保、潜在看護力の活用、県外看護婦の確保など4本の柱を中心に各種事業を推進しているところであります。この需給見通しにつきましては、退職者数を計画策定当時までの過去10年間の実績に基づきまして年当初就業者数の1割と見込んでおり、平成2年度は、御質問にもありましたように、退職者数を626名と推計をいたしております。県内各病院におきます看護婦の退職理由につきましては、滋賀県看護協会の調査からは、県内他病院への転職、結婚、育児の順となっております。  御指摘のとおり、看護職員の離職防止定着化対策は養成力の拡充とともに重要な課題でありますことから、県におきましては、従前より看護職員確保対策の大きな柱の1つといたしまして、県内定着および離職防止対策を取り上げ、修学資金の貸与の拡充、県立看護婦等養成所授業料資金の貸与、院内保育事業および資質の向上等により定着が図られるよう各種事業を積極的に推進してきたところであり、今後とも離職防止定着化対策の拡充に向け努力したいと考えております。  また、長く働き続けられない要因といたしましては、夜勤などの勤務形態、賃金、核家族化の進行、価値観の多様化などが推測されますので、今後、医師会、看護協会、病院関係者および学識経験者等とともに看護職員離職防止対策を検討する委員会による実態調査とそれに基づく具体的な対策を検討してまいりたいと考えております。  なお、看護や介護が県民の生活を支える重要な社会基盤でありますことや、働く看護者にとっては、生きがい、働きがいに連なるよう、国において制定が予定されております看護の日を中心にした関連行事を開催し、看護の大切さ、重要さ等について県民の意識啓発にも努めてまいる所存であります。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)土木技術職員の増員についての御質問にお答えします。  土木行政は、御承知のとおり、道路、街路、公園、河川、砂防、ダムおよび下水道などの公共事業を中心として、ソフトの面では河川、道路の占用や宅地開発などの許認可から指導に至るまで幅広い事業を所掌し、事務、技術合わせて783人の体制でその事務を処理いたしております。  本年は、特に災害が発生し、去る9月19日の台風19号等による被害は甚大でございました。その被害状況は、県関係で479カ所、約88億3,000万円余りと大きな被害をこうむり、直ちに被害箇所の応急復旧に対処し再度の災害防止に努めるとともに、今後の早期復旧に向けて懸命な努力をいたしているところでございます。一日も早い被害箇所の復旧を目途に、現体制の中で有効、適切に対処をするため、被害の大きかった水口、八日市、彦根、今津管内の各土木事務所については、当面の措置として本庁各課を中心に総数で16名の職員を半月から1カ月間の応援のため派遣をいたしました。加えて臨時職員を当骸土木事務所にそれぞれ2名ずつ配置するなど臨機に対応し、その事務処理に当たったところであります。また、今回特に大きな災害が発生した八日市土木事務所につきましては、12月1日付で災害河川改修工事課を新設いたしました。そのほか、一部について外部委託に付すとともに、関係市町村にも最大限の協力を仰ぎつつ、通常ベースの事業執行にも配慮したところでございます。  このように災害に関しましては、当面とれる措置は極力講じてまいりましたが、これら災害への対応によって通常の土木行政が大幅に遅延しているとの御指摘については、災害への対応もさることながら、地価の急激な上昇などに伴う用地取得等社会的な問題も大きく影響していると考えております。  さて、質問の平時の技術職員の仕事量についてでありますが、最近の社会情勢の変化に伴う権利意識の高揚は、公共工事の執行にも複雑に反映し、現場での業務執行にも大きく影響してまいっております。このような中で、職員には、職務遂行上大変苦労をしてもらっていることの事情も深く感じております。  また、災害復旧作業による日常業務への影響についてでありますが、年度途中でもあり、一概に申し上げることはできませんが、用地取得の困難さや地元との調整などによる要因もあり、11月末現在の契約率では、前年比で2.9ポイント下回っております。今後、残りの3カ月余りの期間に事業推進のために一層の努力をし、新年度への影響を極力避けるよう努めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、部内それぞれの部署の適正人員を見きわめながら可能な限り機能的な配置を行い、また技術職員の確保に努めるとともに、技術、事務を問わず職員の資質の向上により一層努め、滋賀の21世紀を支える活力ある県土基盤の形成に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(岩永峯一君) しばらく休憩いたします。    午前11時50分 休憩    ───────────────    午後0時57分 開議
    ○議長(岩永峯一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、18番沢野邦三君の発言を許します。 ◆18番(沢野邦三君) (登壇、拍手)1990年もあとわずかとなってまいりました。私たちは、今、激動の時代、歴史の転換点に立っておるわけであります。ソ連、東欧の激変、米ソ冷戦構造の崩壊、そしてドイツの統一、こうした一連の動きは、米ソ超大国が世界政治を支配できなくなったということでもあると思います。1つの時代が今終わりつつあるわけであります。しかし、冷戦構造の崩壊は、必ずしも平和な時代の到来ではありません。資本主義にとってソ連の脅威がなくなった結果、主要な資本主義国間の争いが激しくなっております。日米間の矛盾もさらに激化し、アメリカは日本を最大の経済的脅威と位置づけ、日米関係、日米安保体制も転機を迎えようとしているのであります。  イラクのクウェート侵攻に対し、アメリカは大規模な軍事力を湾岸地域に投入し、開戦前夜の状況であります。アメリカなど大国の軍事介入の目的は、アラブの真の平和ではなく、石油の確保であることは明白であります。アメリカは、世界の憲兵の座をあきらめておりません。この湾岸危機に際して、日本政府は、アメリカ政府の要求のままに多国籍軍への資金援助を中心とする40億ドルの貢献策を決定したのであります。さらに、自衛隊の海外派兵を合法化する国連平和協力法案を策動しました。これに対し、全国各地で海外派兵反対の声と行動が巻き起こり、アジア各国の人々も厳しい批判の声を上げましたし、私も早速さきの9月県会でも取り上げ、協力法案の廃案を訴えたのであります。協力法案の廃案は民衆の勝利であります。連帯して闘えば悪政を打ち破ることを証明しました。しかし、政府は、国際貢献という名のもとに海外派兵の新たな策動を開始しております。アメリカの顔色をうかがったり、侵略戦争の反省もなく海外派兵をもくろむ政治は、転換していかなければならないと思うのであります。アジアなど世界の人々と連帯する自主的な平和外交こそ日本の進むべき道であります。あわせて、日米構造協議や農業問題に見られるように、アメリカの要求に屈服してしまうのではない政治にしなければならないと思います。それでは政府が屈服し、その後始末というか、その後を受けるのは、多くは地方であります。  そこで、知事に伺いたいのでありますが、日米構造協議から話が始まった430兆円の公共投資であります。だれがそれを負担し、どういうふうに使っていくのか、具体的な部分はまだ見えてきませんが、実際に事業を行っていくのは自治体が中心になるわけでありますから、知事はそれをどう受けとめ、どう活用しようとしているのか、伺いたいのであります。いわゆる430兆円の生かし方でございますが、地方の知恵が試されると思うのであります。21世紀に向けた湖国21世紀ビジョンに基づいて、この430兆円の公共投資を使っていく考えなのかどうか、県としての考え方をお聞きいたしたいのであります。  日本政府は、アメリカの言いなりに430兆円の公共投資を決めましたが、それによりどういう社会資本を整備し、どういう社会をつくっていくのかのビジョンは提起をされておりません。アメリカに言われなくとも、本当に住民が必要としている生活基盤整備は圧倒的に不足をしているし、ましてや高齢化社会に備えてのさまざまな投資が必要であるわけであります。政府は、高齢化社会に備え福祉5法関係の仕事を市町村に移譲する考えのようでありますが、今の市町村ではそれを十分に受け入れる財政力はないのであります。施設だけでなく、たくさんのマンパワーへの投資が今一番必要であります。また、各地域が環境調和的にさまざまな基盤整備をしなくてはなりません。しかし、金がないから国からの財源が頼りであると口をそろえて各自治体は言っております。公共投資430兆円に備えて、少なくとも補助事業の体系を、物づくり中心のものから、人的投資も含むものへ、自治体がもっと自由に使えるものへ、そして大規模な物づくりにだけ補助率が高いようなものでないものへと変革していくことが実に重要な課題になっておるわけであります。昔から批判され続けてきた補助金行政でありますが、その変革こそ、日本にようやく訪れた政治の季節における一焦点となるべきであると思います。  また、自治体も、型にはまった認識方法を改める時期に来ていると思います。今、県も市町村も下水道整備が最重要課題であります。しかし、欧米のように高層住宅が集中している都市と違って、中心部から農村集落部が無秩序に点在している日本で、今の建設省所管の公共下水道などの方式で普及率100%を目指すなら天文学的な費用がかかるし、実に非効率的なのであります。今、現実に農水省所管の農村集落下水事業や家庭合併浄化槽などがありますが、建設省所管の事業でない限り下水道とはみなされず、普及率に換算されません。このような硬直した認識を、生活関連予算とわざと名づけたこの機会に改めない限り、生活関連予算が相変わらず産業基盤整備偏重予算になってしまうのであります。自治体は、今日までの環境破壊的な公共投資を今後10年間今までの1.6倍の規模で巻き込まれることのないように、また中央発信型の全国画一的な硬直した基盤整備でなく、住民のニーズに合わせ、自治体がその地域のために独自の構想でいろいろな基盤整備ができるよう、真の生活基盤整備事業となるよう願うものであります。  次に、総務部長に伺いますが、430兆円の公共投資は、本県のシェアはどれくらいになるか、現時点では不明でありますが、県や市町村の借金がふえることは確かであります。1970年代の後半に日本は世界同時不況から脱出を引っ張るという意味で機関車の役割をし、内需拡大のための公共事業のばらまきを行いました。自治体財政公債費負担率は、1975年度の6.5%から1985年度では14.3%へと急速に高くなり、今回の430兆円の公共投資に伴い、もう一度繰り返される可能性がありますし、今一段と高まっている公債費負担率の中であり、余計に心配されるところであります。430兆円のうち地方実施分を340兆円とすると、今後10年間に約100兆円の起債が必要と思われます。いや、もっと大きくなるかもしれませんが、一つの目安にはなると思います。87年度末の地方債残高47兆円で、90年度末には60兆円を超えると言われています。もちろん、その間に行われる償還分を考慮しなければならないと思いますが、それにしても倍の借金がつけ加わることになるわけであります。これは、すべて自治体の平均の話で、県内の自治体も財政事情は千差万別であり、公債費負担率が現在15%以上20%未満の市町村は県内で幾つあるのか、こういう団体、市町村は、年率5.5%で投資を伸ばしていくことが不可能であります。県内の市町村にまんべんなく公共投資を展開していくためには、どうしても補助金補助率か、あるいは交付税の措置に一工夫が必要であると思うがどうでしょうか。  特に、市町村は補助事業より単独事業の比重が高いのが普通であり、一般財源でやるにせよ、起債に依存するにせよ、公共投資を担うには財政力によるところが大きいのであります。しかも、今回のアメリカの要求している生活関連基盤投資を国は10%程度しか担わず、主に市町村が約70%を担うことになり、かつ市町村の担うそれに占める国の負担はたった20%足らずではないかと思います。生活基盤投資関係の国の補助事業の補助率が低いところに問題があります。この分野は、市町村の単独事業に任せていくのか、つまり生活基盤関連の社会資本整備をやるにしても、現状のままでは、それをやるだけの財政的余裕のある団体、市町村しかできないし、そうでない市町村はますます取り残されてしまうのであります。やろうと思えば無理に借金をしなければできませんし、これらの市町村に対し補助率や交付税のあり方の見直しがどうしても必要であると考えるが、どのように対応されるのか、伺いたいのであります。  次に、固定資産税評価がえに伴う負担調整措置についてでありますが、公表された固定資産税評価がえの基礎となる基準地の新評価額は、地価高騰の著しかった1986年──昭和61年でありますが──以降の状況をもとにしたもので、宅地の平均上昇率は28.5%と前回の16%を大幅に上回っております。本県はこれより少し少ないと聞いておりますが、このため、来年度から住宅用地に対する固定資産税、都市計画税の住民負担は大幅に増加し、さらに地代、家賃を初め、その他物価の値上がりを招くおそれがあり、その軽減を図ることが重要かつ緊急の課題となっておるのであります。したがって、急激な税負担を軽減し、生活と物価の安定を図るため、住宅用地、中小事業用地などについては、現在の負担調整措置の延長だけでなく、各市町村の実情に基づき、新たに負担調整措置の拡充を早急に図るよう県民の声が強いのでありますが、部長の見解をお聞きいたしたいのであります。  また、その所要財源については、現在検討強く要望されるように、また固定資産評価方方法について、用途に応じた課税評価方法への改革などを検討し、固定資産評価の公表の推進を着実にされるべきだと思うが、部長はどのように考えておられるのか、伺いたいのであります。  次に、ガット・ウルグアイラウンドについてでありますが、農産物貿易の全面自由化を求めるアメリカ政府のごり押しが続く中で、この12月3日からベルギーのブリュッセルで開かれました。米の市場開放やでん粉、乳製品の自由化が行われるようなことがあれば、高齢化が進み、後継者が絶対的に不足している日本の農業に致命的な打撃を与えることはだれの目にも明らかでありますし、農山村の生態系や環境破壊が進み、地域経済社会の存立すら危うくするということになると思います。知事もガット・ウルグアイラウンドヘ行ってはどうかとさきの9月県議会で質問をしたわけでありますが、知事は、気持ちの中ではガットの交渉の場に出向いてでもということではありましたが、所用のため困難なことであり、本県の農民や消費者、働く仲間の多くの支援でガット農産物自由化に反対し、世界の家族農業を守り、安全な食べ物、水、緑を私たちの手に戻し、地球上から飢餓をなくそうと、山元勉国会議員を本県の代表としてガットへ送りました。また、私たち食とみどりと水を守る県民会議は、ガットを前に約1カ月キャラバン隊を編成し、米の自由化反対、農業を守ることは自然を守ることだなどと訴え、県内くまなくキャンペーンをし、英字での団体署名約780通の協力を得、山元勉代表に携えたのであります。  今、農業保護の全廃、大幅削減というアメリカの提案から、より現実的なEC提案をベースにしたものに変化し、日本が主張しているガット11条輸入制限の存続がどうなるのかはっきりしない段階でありますが、現時点での県の新年度の農林関係予算などの対応について知事に伺います。また、米の部分開放はやむを得ないと一部の人がよく言われますが、部分開放の行く先は先行き真っ暗やみで、農業をやめる農民が多く、完全開放につながるわけであります。完全自由化という事態になった場合、滋賀の農業はどうなるのか、伺いたいのであります。  本県農業や環境に与える環境試算についてでありますが、東大の森島教授は、コスト競争で生き残れる産地はほとんどないと試算をしておるのであります。長期的にかろうじて残ると思われるのは、北陸のコシ地帯で、生産は現在の1割程度に減少すると予測をしております。米の生産を失った水田はどうなるのか、有利な転作物もなく、管理者もなく、放置されるままになる、びわ湖、淀川流域の水資源確保はどうなるのかなど、考えるだけでも5%くらいの部分開放ならという議論は払拭すべきだと思うが、農業県びわ湖に立つ知事としての所見を伺いたいのであります。  次に、地域農業と卸売市場について農林部長に伺います。  長浜市場が開かれて約半年、きょうまでの状況はまあまあ順調に推移しているように聞いておるわけでありますが、長浜周辺の地域農業、特に畑作、野菜づくりの主役である地域農業の現状に合っていないのではないかとよく言われるのであります。それは、定年退職者などのお年寄りが中心に自分の畑で野菜づくりをしている小さな百姓、小遣い目当ての野菜づくり農家の多い地域であります。昔から自転車にやみかごと言われるかごに野菜を積んで市場へ出していたところでありますが、その小さな、まじめに地域農業、家族農業を続けている人たちから、大きな金をかけて立派に大きな市場をつくってくれたけれども、私らは前の市場の方が店が何軒かあってそれなりに競争しサービスして買い入れてくれたが、新しくなると会社が1つでたたかれ、地の野菜は安くしか買ってくれないとぼやいているのであります。  どういう状況になっているのか、朝早く何回か市場に行きました。今年の夏は暑く、朝から太陽が市場にもさんさんと照りつけておったわけでありますが、一番日当たりのよい市場の東側に、テントも屋根もない路上というか、コンクリートの広場に地の野菜がたくさん並び、市にかけられ、時間が立つにつれしなびるので値が崩れ、よその生産地から来た箱入り野菜、恐らく農薬がたくさん使われ、品がそろっている野菜は市場の日陰の中で市をされ、見ばも見えもよく、値崩れがしないのであります。地の土で昔ながらのつくり方でつくった地の野菜、命をはぐくんでいる地の野菜の価値や地域農業を守る上で、姿、形は少々醜いかもしれませんが、安全性に富んだ地のしゆんの野菜こそ守らなければならないのに、夏の朝日の中でしか市にかけられない状況になっておるのであります。農林部長はどのように考えているのか。何らかの改善策を用いないと、それこそ地域農業や家族農業の一役を買い、転作の手助けや畑作の主役を担っている農民の畑作離れとなってしまうのであります。地域農業を守るためにも、そして市場の使命である地場の野菜を即地元にという観点からも、何らかの具体策を講じないといけない状況ですが、部長の具体策をお聞きいたしたいのであります。  次に、農薬についてでありますが、まず空中散布について伺います。  空中散布は、いろいろ問題を起こしております。効果的な防除法とか農作業の省力化のためなどと言われ、今も実施している市町村もありますが、県は市町村に任せているのかどうか。良心的な農家の中には、空中散布はしてほしくない、料金は高いし、全体に農薬をかけ有機農業の支障になる、中止してほしいという声もあるわけであります。また、問題は、3月に害虫の発生の予測をし空中散布の企画をするわけでありますが、果たして効果があるのか、3月に今年の夏に発生する害虫をどのように予測するのか、業者任せではないのかという気がしてならないわけでありますが、今びわ湖や自分の体を心配し、農薬を減らそうという農家の多い中へ、容赦なく空中から散布する方法は検討すべきだと思うがどうか。有機づくりの稲は病気に強く、虫の発生も少ないのであります。化学肥料でつくる稲作は土壌を死に追いやり、稲を丈夫にしないので、病害虫に弱くなります。農業試験場での有機農法の実験ではどのような結果が出ているのか、伺いたいのであります。  次は、ゴルフ場における農薬の安全使用に関する指導要綱の運用では、ゴルフ場の調整池にコイなどの魚類を入れて水質の監視を行えと指導しておるわけでありますが、コイは魚の中でも汚染に強いと言われるのでありまして、そのコイを指定したり、調査項目でも最も使用量の多い農薬有効成分各1種類について調査することを指導しておりますが、少量でも毒性の強い農薬があり、これらの農薬は使用後担当従業員の家に持ち帰って保管するよう支配人から言われているとゴルフ場の従業員も言っておりますし、ゴルファーがプレーしているすぐ近くで農薬を散布するときに、もしゴルファーに聞かれたら、これは肥料ですと言うように教えられているとグリーンキーパーは話をしておるのであります。これがさきの指導要綱のもとでのゴルフ場の今日の実態の一端であります。また、古くから使われている農薬ほどチェックが甘く、そのまま現在使われているものもあります。例えば、TNPクロロタロニルもその一つであります。これは安くて多量に使われていますが、明らかに発がん性が確認をされておるのであります。3年に1回検定があるようですが、そのデータやチェックの過程はよくわからないのが現状であります。有機塩素系農薬で慢性毒性発がん性が問題になっている農薬ダクタールが多量にローズタウン近くのゴルフ場で9月の下旬にまかれたと、10月1日にローズタウンの集会所で開かれた集会の中で報告をされておるわけでありますが、農林部長は実態を調査されているのかどうか、またどのように報告を受けておられるのか、伺いたいのであります。  この農薬は、芝生のみに使う除草剤で、食物とは関係がなくて、ゴルフ場のような広いところで使うとは考えていなかったために、毒性の研究が真剣になされておらず、データも不足しているのが現状のようであります。ダクタールは有機塩素系農薬で、製造過程において塩素をついついつけ過ぎてしまうと、HCB──ヘキサクロロベンゼンが不純物として生成され、このHCBは分解しにくくて体にとどまり濃縮されますし、発がん性や催奇形性も懸念をされて、生体で濃縮され、問題の多い農薬だと専門家から聞いておるわけでありますが、農林部長はどのように考えているのか、お聞きいたしたいのであります。  次に、ゴルフ場などの農薬による大気汚染の測定をし、生物や人体に及ぶ影響などを調査する必要があると思うわけでありますが、生環部長はどのように考えておられるのか、伺いたいのであります。酸性雨のアサガオのように農薬をチェックする植物もありませんし、大変不安なのが現状であり、農薬化学物質のリスクアセスメントなどができないのか、大気汚染ほど目に見えないものはないし、不安でならないのであります。春から秋は除草剤を毎日のようにまく、するともう息を吸うのが嫌になるくらいひどいのですと、朝日新聞で藤原宇都宮大学教授が言っておるのを読んだわけでありますが、それほどゴルフ場では農薬を散布しておりまして、どうしても大気が汚れ、それを測定する方法を考えないといけないと思うわけでありますが、生活環境部長の所見をお聞きいたしたいのであります。  次に、厚生部長に、ゴルフ場使用農薬に係る水道水の安全対策が厚生省より当面の措置として暫定水質目標が示されたわけでありますが、汚れた水道の原水を塩素処理によって変異原性物質が生成され、また発がん物質の9割は変異原性を持っていると言われておりますが、水道水に使われる原水に流れる農薬の中でも、特に殺菌剤キャプタンやトリクロホスメチル、除草剤ではシマジンなどがあり、県はどのように対応しようとしているのか、伺いたいのであります。また、厚生省が当面の措置として示した水道水の暫定水質目標と県の調査結果はどのようになっているのか、お聞きをいたしたいのであります。  次は、農薬による大気汚染と思われる障害について伺いますが、これは酒に強い人、弱い人があるように、アルコールの解毒力の違いと同じように、農薬に強い人、弱い人があることは承知をしておりますが、ゴルフ場周辺の人やキャディーさんが頭が痛いとか関節が痛いとかの話をよくローズタウンでは聞くそうですし、小野っ子ラリーでの健康障害や水明一丁目のアンケートでも、目がかゆいとか、鼻水が出る、せきが出る、のどが痛い、頭が痛いなどが多いのであります。厚生部長は、このような症状についての原因は何であると思われますか、お聞きをいたしたいのであります。  私たちは、農薬が原因でないかと農薬中毒について開業医を中心に聞きました。県内の内科、歯科、眼科、産婦人科などの開業医78人の方にお聞きしてきたわけでありますが、農薬中毒患者を診療したことがあるかという問いに対しまして、17人、22%の先生方があると、原因は、農家の農薬散布が5名、除草剤の使用が3名などであるわけでありますが、そのときの症状は、目の症状38例、皮膚炎症状が16例、消化器症状が12例、その他、呼吸器、鼻、神経、循環器、胃、肝障害などであるわけであります。また、ゴルフ場関係者や付近の住民の農薬中毒患者を診療したことがあるかという問いに対しましては、5人で6%、症状は先ほどと同じようであります。  開業医の意見として注目されるのは、外来通院されるキャディーさんの中には、慢性の腰痛、肩凝りのほかに顔色の悪い方もある、小生自身、雨中のゴルフ後、急性結膜炎様症状を起こすことが時々ある、キャディーさんは、夏の暑いときでも完全防備の服装をしていても、時々わけのわからない皮膚疾患が出ている、確かに奇形の出産はふえている、友人のゴルファーの一人ですが、目が痛む、腰痛などを訴えているが、ゴルフによるものというより農薬被害と考えられる症状らしい、本人の話と日常の振る舞いから、ゴルフをやって逆に健康を害しているとしか言えない、田園地帯では個人散布のとき取り扱いミスで来院される方が多い、友人で目に症状があらわれた人がいたり、目がちかちかして涙が出るようだなど、実際の診療をされている開業医の先生方の声であります。県の厚生部は、農薬中毒発生についての件数やどのような症状を把握しているのか、伺いたいのであります。  また、今年の8月から9月にかけて県内の2カ所のゴルフ場に勤めておられる女性従業員の方に健康に関するアンケートを行ったわけでありますが、Aというゴルフ場は9時間労働が大多数で、Bは6時間労働が中心でありましたが、肩凝りについては、時々あるというのが42%、常にあるというのが37%、腰痛は、時々ある29%、常にあるが25%で、手のしびれは、時々あるが37%、常にあるが6%で、一日の仕事が終わった後の状態については、根気がなくなる、肩が凝る、腰が痛い、口が渇く、頭が痛いが多く、現在医師にかかっている人は20%──2割の人であります。売薬で済ませている人が7%となっております。1年間を総合すると、体がだるい、多汗症になった、皮膚のかぶれ、目の充血など、医師にかかった人23%で、通院が14人、入院が1人であります。次に、人工流産を除く流早産の経験についてで50歳未満の方に聞いたわけでありますが、11%──約1割の方があると答えております。しかし、AとBとを分けると、Aはゼロで、Bのゴルフ場は40%の方に経験があるようであります。2回経験している人が3人もありまして、全体としては、大気など汚染されているゴルフ場で、ゴルフ場側の従業員、パートも含めて健康管理は十分とは言えないようでありますが、厚生部長はどのように思われるのか、またどのように今後指導されるのか伺いまして、質問を終わります。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 18番沢野邦三君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)沢野議員の御質問にお答えをいたします。  まず、公共投資基本計画についてのお尋ねでありますが、この計画は、御承知のとおり、21世紀に向けて着実に社会資本整備の充実を図っていく上での指針とするため、平成3年度から同12年度までの期間における公共投資の枠組みおよび基本方向を総合的に示すものとして本年6月に閣議了解されたものであり、その内容としては、今後10年間の公共投資総額をこれまでの10年間の公共投資実績見込み額の約263兆円に比べて大幅に拡充し、おおむね430兆円とするものとされております。また、その配分に当たっては、国民生活の豊かさを実感することのできる経済社会の実現に向けて、公共投資額のうち、生活環境、文化機能に係るものの割合を、平成3年度から平成12年度の間にこれまでの50%台前半から60%程度にすることを目途に増加させることとされております。  いよいよ来年度からこの計画を踏まえ、政府の各種の公共事業関係長期計画および予算等において個別分野の具体的な姿が示されることになるわけでありますが、豊かで活力ある地域経済社会を形成するためには、地方公共団体が地域に密接に関連する社会資本整備に自主的に取り組み、その役割を果たしていくことが一層期待されております。したがいまして、公共投資基本計画の具体化に当たりましては、公共事業に係る地方負担について財源措置を行うとともに、地方単独事業についても適切な措置をされるよう国に対して強く要望しているところであります。  現在、国の方では生活関連枠として2,000億円を確保するとともに、事業別の配分を検討されておりますし、地方財政計画につきましても種々の検討がなされていると伺っております。その内容は、現時点では定かではありませんが、最近の報道では、公共事業分野の中では、下水道、住宅、道路、公園などに1,000億円以上が向けられ、一部は農村の集落排水事業などに充てられる見通しになると伝えられております。本県といたしましても、地域の発想に立った郷土づくりを念頭に置きながら、積極的にその活用を図ってまいりたいと考えております。今後進められます国の予算編成などの動向を十分見きわめながら、湖国21世紀ビジョンのより一層の推進を図る観点から、本県に必要な事業の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、ガット・ウルグアイラウンドに関連しての御質問にお答えします。  まず、米の市場開放問題と予算についてでありますが、これまでもお答えしてきましたとおり、日本農業の根幹を揺るがしかねないような米の市場開放はなされるべきではないと考えておりますし、政府においても、今回の通常国会冒頭において、国内自給方針を貫き、我が国のこれまでの方針を堅持すると表明されているところでありますので、米の市場開放を前提とした予算措置はただいまのところ考えておりません。  また、完全自由化という事態になった場合の影響についてでありますが、御紹介になりました米政策研究会の中間報告で一つの試算が発表もされておりますが、そのことはさておきましても、米の市場開放による打撃は、生産者だけではなく、国民全体に及ぶものであることは申すまでもないところであります。米の価格の極端な下落と生産の大幅な減少により稲作経営の弱体化は避けられないところであり、特に一たん縮小した水田稲作は再び回復困難とさえも言われております。また、農地の保全や土壌保全、生態系の保護など、多様で重要な公益的機能の低下も大いに危惧されるところであります。とりわけ稲作中心の本県農業とびわ湖というかけがえのない資産を有する本県にとりましては、こうした農業、農村の持つ多面的かつ公益的役割は他にかえがたいものでありますので、国内自給の方針は将来にわたりぜひとも維持していかなければならないものと考えております。 ◎総務部長(川村仁弘君) (登壇)沢野議員の御質問にお答えいたします。  まず、御質問の公債費負担比率が15%以上20%未満の団体が幾つあるかというお尋ねでございますが、平成元年度においては4市町村であります。  次に、公共投資基本計画の具体化に伴います公共投資の市町村負担についてのお尋ねでございますが、毎年の地方財政の収支につきましては、地方交付税法の規定に基づいて作成される地方財政計画によって明らかにされることとなっております。この地方財政計画の意義は、地方財源の不足額に対して税財政制度の改正や地方交付税率の検討等財政収支の適合を図るために必要な措置を講ずることにあり、またその役割の大きなものの一つに地方財源を保障することがございます。したがいまして、今回政府において打ち出された公共投資基本計画の実施に伴う地方負担額についても、地方財政計画において適切な措置がなされるべきものと認識いたしております。現在、平成3年度地方財政計画作成作業が進められておりまして、その内容は今のところ不明でありますが、県といたしましても、地方財源の充実強化については本県の最重点項目の一つに掲げ、県および市町村の自主的かつ安定的な財政運営を図るため国に対し強く働きかけてまいりましたし、今後ともそのような努力を続けたいと考えております。  次に、固定資産税の評価がえについての御質問にお答えいたします。  まず、今回の評価がえに伴う負担調整措置についてでございますが、御質問にもありましたように、税負担の増加がよりなだらかなものとなるように全国知事会等を通じて国に対し要望してまいりました。現在、自治省におきまして、要望の趣旨を踏まえ、来年度の税制改正の中で平成3年度の評価がえに伴います税負担の急激な増加を緩和するための検討がなされていると聞いておりますが、引き続き適切な配慮を国に求めてまいりたいと考えております。  次に、新土地保有税の導入に伴い、地方財源の充実強化を図るべきとの御意見であります。現在、新土地保有税を含め、土地税制の抜本改正が関係機関で検討されておりますが、私どもといたしましては、こうした税制の改革が行われる際には、地方財源の充実に十分意を用いていただきたいと考え、常々国に対して要望してきているわけでございますが、今後ともこうした方針で国に対して要望してまいりたいと考えております。  次に、固定資産評価の方法についての御質問でございます。固定資産税は、資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在する受益関係に着目し、その資産価値に応じて課税される物税として構成されていることから、例えば住居用資産についてのみ特別の評価方法によることにつきましては、なかなか難しい問題があると聞いております。しかし、県といたしましても、税負担の急激な増加に対しては、やはり適切な配慮が必要であると考えますので、その旨国に対して要望してまいりたいと考えております。  また、固定資産評価の公開についてでございますが、一般納税者の皆様に固定資産の評価に対する御理解をいただくとともに、評価の均衡化、適正化に資するため、個人のプライバシーの保護に配慮しつつ、平成3年度の評価がえより路線価等の公開を進める必要があると考えております。  政府におきましては、昭和63年6月の総合土地対策要綱および平成元年12月の土地対策関係閣僚会議において、基準地等に係る路線価の公開を行うなど、適切な措置を講ずるよう地方公共団体を指導するとの方針を固めております。本県におきましても、本年10月の自治省通知に基づき、既に御承知のとおり、各市町村の基準地価格につきまして、去る10月31日に公開いたしました。今後、市町村段階で基準地価格との均衡を図りつつ、標準地価格を決定し、さらに各筆の評価額を決定していくこととなりますが、市町村段階での公開につきましては、その具体的取り扱いについて、国からの通知を待って市町村に対し指導してまいりたいと考えております。 ◎生活環境部長(前川利夫君) (登壇)農薬による大気汚染についての御質問にお答えいたします。  ゴルフ場におきましては、ゴルフ場における農薬の安全使用に関する指導要綱に基づき、ゴルフ場周辺地域における集落、市街地の立地状況を勘案の上、周辺への飛散を防止するため、風向、風速等、特に局地気象に配慮し、周辺住民の危被害防止や環境保全に努めることとされており、主管部局におきまして、慎重かつ適正な農薬使用の指導がなされているところであります。この要綱に基づき、農薬取締法に登録された農薬が適正に使用される限り、大気中に拡散して県民の生活環境に影響を及ぼす状態には至らないものと考えておりますが、志賀町におきまして大気の調査が行われておりますことから、今後の調査のあり方について検討してまいりたいと思います。しかし、大気中における農薬の測定方法につきましては、公定法がないという状況でもありますので、関係部局とも連携を密にし、知見の収集に努めるとともに、国の動向を見ながら的確な対応をしてまいりたいと考えております。 ◎厚生部長(中桐正君) (登壇)農薬についての御質問のうち、まず水道水の安全対策についてお答えいたします。  ゴルフ場使用農薬に係る安全対策につきましては、平成2年5月31日付をもって厚生省よりゴルフ場使用農薬に係る水道水の安全対策についての通知があり、その中で水道水の暫定水質目標数値等が示されたところでございます。その内容につきましては、御質問にありましたキャプタン、トリクロホスメチル等の殺菌剤やシマジン等の除草剤を含めまして、21種類の農薬についてそれぞれの水質目標が定められているほか、水道事業体等に対しまして、ゴルフ場における農薬散布により汚染が懸念される場合についてはモニタリングを実施することとされ、県につきましては、水道事業体等に対してその指導等をすることとされております。  県といたしましては、市町村と水道事業体に対しその趣旨の徹底を図りますとともに、衛生環境センターに必要な検査機器の整備を進めるなど、検査体制の充実に努めているところでございます。また、水道法に基づく指定検査機関であります滋賀県薬剤師会においても、市町村等水道事業体からの水質検査の依頼に対応できるよう機器が整備されたところでございます。今後は、ゴルフ場使用農薬による水道水の安全対策を強化するために、国において21種類の農薬が定められておりますが、これに加えて4種類の農薬を追加し、水道水源の定期的な監視に努めていく所存でございます。  なお、県では9月に信楽町の水道水源等10カ所の地点でモニタリングを実施いたしましたが、その結果は、いずれの農薬も検出されなかった旨報告を受けております。  次に、農薬にかかわる健康影響に関する御質問にお答えいたします。  第1点目の人体影響についてでありますが、動物実験や農作業時におきます中毒事故あるいは農薬による服毒事故等、高濃度の農薬が人体に暴露されたときの影響につきましては、現在まで相当のデータの蓄積がございます。ただ、ごく微量の農薬が人体に暴露されたときの影響につきましては、学問的に推定できるにいたしましても、実際の現場においてその因果関係を求めることは、他の種々の要因による影響も考えられ、大変困難が伴います。したがいまして、御指摘のケースにつきまして、その因果関係を特定することは困難であるというふうに考えております。  第2点目の農薬中毒発生状況についてでありますが、医療機関に受診した中毒患者の届け出につきましては、法律上の届け出の義務がないものの、その実態把握のために、医師会、病院協会を通じまして、医療機関にその届け出をお願いしているところであります。本年度の届け出は2件で、いずれも自殺目的の服毒であり、昭和61年以後の届け出27件中、農薬使用中の事故は4件あり、その症状は、皮膚障害3件、目まい、吐き気1件でございます。  第3点目のゴルフ場の従業員に対する健康管理についてでありますが、基本的に事業所における従業員の健康管理につきましては、労働安全衛生法に基づきまして事業者の責任においてなされることになっており、またその指導監督は労働安全衛生法を所管する労働省が行うことになっております。しかしながら、県民の健康管理に関することでもありますので、必要に応じ関係機関と十分連携をとってまいりたいと考えております。 ◎農林部長(豊田卓司君) (登壇)地域農業と卸売市場についてお答えいたします。  長浜市場につきましては、本年5月に開設されて以来、順調に運営されているところでありますが、御質問のように、地場野菜につきましては、旧市場以来の個人出荷が主体となっております。消費者ニーズもありまして、市場の需要者である小売業者等は、品質のそろったものを一定量、継続的に出荷されることを強く希望いたしており、市場で有利に販売するためには、こうした需要者の希望にこたえていかざるを得ないことでもあります。県といたしましても、こうした流通事情にも対応できる出荷体制がとれるよう生産農家のグループ化を進めるとともに、水田特産団地育成事業により機械や施設の助成を行う等、地域の野菜産地の育成にも努めているところであります。今後地域農業を進める中で、順次地場野菜の出荷体制の改善も進んでいくものと考えておりますが、当面の市場の現状を踏まえて、積雪や日照などの対策については、市場開設者において既に実施に向けての検討が進められているところでございます。  次に、農薬についてでございます。  まず、水稲の航空防除についてでありますが、その実施に当たっては、従来から関係法令や国の定める農林水産航空事業促進要綱および同実施指導要綱、さらに県が定める推進要綱や危被害防止対策要綱および航空防除用農薬の散布基準等により、その安全対策には万全を期しているところでございます。これらの実施に当たりましては、市町村、農協、農業共済組合等で組織する市町村病害虫防除協議会が事業主体となるものでありますので、地元の意向も踏まえたものになっているものでございます。防除の計画は、機材の調達もあり、3月に策定されておりますが、実施に当たりましては、病害虫発生状況の全国ネットワークを持つ県病虫害防除所の発生予察情報をもとに、気象条件や生育状況等を勘案して行っております。また、この際には、保健所、消防署、教育委員会、地元自治会等の関係機関と十分協議し、危被害防止に万全を期しており、今後ともその適切な実施の指導に努めてまいりたいと存じます。  次に、農業試験場における試験結果についてでありますが、これまでの有機活用試験とあわせて、現在、省農薬の試験を実施しているところであり、天敵や性フェロモンを利用した効率的な防除技術の開発を目指して取り組んでおります。しかし、その成果を得るまでには至っておりません。大変重要な課題でありますので、さらに鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、ゴルフ場に係る農薬の使用についてでありますが、本県では昨年2月ゴルフ場における農薬の安全使用に関する指導要綱を制定し、農薬の安全かつ適正な管理と使用がなされるよう指導に努めてまいったところでございます。お尋ねの芝の除草剤ダクタールの使用状況は、報告が4月になりますので、まだ確認いたしておりませんが、この除草剤は、現在農薬取締法に基づく登録農薬でございます。これら登録農薬につきましては、御質問の中にもございますように、3年ごとに国において厳正なチェックがなされており、その安全性が確認されているものでございます。 ◆18番(沢野邦三君) (登壇)今後10カ年間投資をされる430兆円に上る公共投資でありますが、先ほど申し上げましたように、大変重大な問題であると思いますし、本県は必要な事業の確保に努力をしていきたいという知事の答弁でありましたが、生活者のニーズに即した地域の福祉と活力のもとになるハード、ソフトを含めた社会システムを築くための投資とするように──。私が一番心配をいたしますのは、過去の列島改造のときのように、過密過疎、地域格差をもたらしたり、利権の温床になったり、環境破壊などで大変そのときの公共投資が現在問題になっておるわけでありますが、そういったことの再来にならないようにということで、今大変重大な選択をするときではないかというふうに私は思っているわけであります。そういった意味で、生活と福祉を基調とする地域福祉を充実させ、地域の格差を是正するような公共投資を進めていくことに全力を挙げてほしいと思いますので、知事に再度の決意を伺いたいのであります。  また、生環部長に申し上げますが、農薬の大気汚染の測定、分析の方法を早急に検討されまして、リスクアセスメントなどができるように、特に強くこれは要望しておきたいと思います。  それから、厚生部長が先ほど薬品中毒患者の届け出について例年2件か4件くらいしかないというふうに答弁されておるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、開業医の先生78人にそういったことを知っているのかということを聞きましたら、26%ぐらいの先生方は知っていると、しかしあとの64%ぐらいの先生はそういう届け出をすることを知らない、こういうのが実態でありまして、実際診療をしていても届け出をしていないということであります。しかも、詳しく聞いてみますと、昭和から平成に変わったわけでありますが、昭和のときには、被害患者報告書という名前になっていたのでありますが、平成になってから、薬品薬物中毒届ということで、患者の氏名などを報告することは要らないということに変わってきているというようなことで、農薬という薬品の中毒症状について県は大変軽く見ているのではないか、軽く見ているような状況に変わってきているのではないかというふうにある開業医の先生はおっしゃっておるわけでありますが、なぜ届け出用紙がこのように変更されたのか、あるいはまた大半の先生が知らないという状況の中で、ただ2件、4件ということが実際の数字には上がってこないのではないかと、もう少し周知をして、実際の数字を、件数を掌握してほしい、このように思うわけでありますが、厚生部長の所見を伺いたいのであります。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)御質問の趣旨を十分踏まえた上で、地域の発想、生活者の発想に立って郷土づくりを進めると、そういう観点から公共事業を進めていきたい、こういうふうに申し上げたつもりでございます。 ◎厚生部長(中桐正君) 中毒症状につきまして軽く見ておるわけではございませんで、我々としては、法的な問題でないという問題がございますけれども、先ほど御提言がありましたように、この趣旨の周知徹底を図ってさらに協力をお願いしたい、こういうふうに思っておりますので、御了承願います。 ○議長(岩永峯一君) 次に、49番仲川半次郎君の発言を許します。 ◆49番(仲川半次郎君) (登壇、拍手)本日の一般商業新聞の報道を見ますと、厚生省は昨日──12月13日でありますが──老人保健法の一部を改正いたしまして、入院費現行の1日400円を800円に引き上げる、1カ月ですと2万4,000円、5割の値上げになります。また、初診料、これは外来でありますが、現行800円を1,200円に引き上げる案を固めたと、これは厚生省でありますが、今の政府・自民党海部内閣のもとでこれが決められた。そこで、これは法案でありますから、今後、福祉法に基づく60歳あるいは65歳以上の人、保健法に基づく70歳以上の方々はもちろん、全国の福祉問題の重要な一環として大問題になろうかと思います。我が党、また私自身も今後、本年も押し迫りましたけれども、平成3年予算編成あるいは国会においても、これが大改悪であることは間違いありませんので、大きな論議を呼び、その引き上げの反対のために奮闘する決意を表明するものでありますが、そうした今日の政治状況を踏まえまして、私は高齢者の保健と福祉施設の整備充実などの計画、見通しなどについて厚生部長に質問をいたします。  21世紀の到来とともに、我が国は世界でも有数の長寿社会を迎えようとしております。超高齢化社会を迎えると見られておりまして、人口4人に1人を65歳以上の老人が占め、寝たきり老人や介護を要する人々がその対策を求める時代が到来すると予測されておりますが、現在約60万人が実在し、21世紀にはこれが約100万人を超えるものと見られ、また痴呆性老人が約110万人に達すると予測されているのであります。本県においても、本年9月末現在の70歳以上の高齢者の実態調査では、総世帯数35万8,765世帯のうち、男3万7,173人、女6万1,397人で、合計9万8,570人となっております。これを大津市内に限ってみますと、8万6,781世帯中、男6,653人、女1万900人、計1万7,553人となっておりますし、またさらに一地域であります私の住む膳所学区の例をとってみますと、6,714世帯中、男589人、女883人の計1,472人であります。また、その学区内の私が自治会長を預かっております自治会に例をとってみますと、世帯数286世帯中、男44人、女58人、計102人であり、単純計算でありますが、3世帯に1名の70歳以上の老人が現在生活していることになっております。また、私の自治会では65歳以上の人は約160名であり、70歳以上の高齢者の約50%増となっているのであります。  ところが、治療、看護のため入院を必要とする病人は別としましても、特別養護老人ホーム施設は、現在、県立1施設、社会福祉法人等の民間施設は15施設、計16カ所であり、その認可定員は1,135名であり、入所希望者、すなわち老人福祉法による措置を求める希望者は急増し、その施設の新設、増設は緊急を要する課題となっているのであります。県当局の63年度に実施された長期入院患者の実態調査によれば、特別養護老人ホームはその時点で940人が入所しており、病院で6カ月以上の治療を受けている長期入院患者は1,526人で、計2,466人が入院または入所していることとなっております。これは、全入院患者に占める割合が36%でありますが、全国平均では48%と言われている数値に比べてみると、相当低いと指摘されているところであります。在宅の寝たきり老人は、昭和56年調査では2,648人であったのが、昭和63年度には2,752人となり、高齢化の進行とともに増加が予測され、レイカディア10か年計画、地域医療整備計画10カ年の最終年度であります平成7年度には17%増の約15万8,000人となる見込みとされ、介護を要する高齢者は約8,700人に達するものと推定されると予測されているのであります。こうしたことから、介護を要する高齢化老人対策は、保健、福祉対策の緊急化と具体化が強く求められているところであります。  そこで、まず質問いたしたいことは、特別養護老人ホームの建設について、今後どのような建設計画を持っておられるかについて具体的に示されるように求めるものであります。また、老人福祉法に基づき、年次別および地域別に増新設計画を示されるように求めるものであります。また、社会福祉法人による民間依存が中心のようでありますが、県立の特別養護老人ホームの新設を検討すべきであるが、部長の決意を求めるものであります。現在、本県には、県立1施設を含め、先ほど申しましたように民間を入れて16施設であり、その認可定数は1,135名でありますが、平成7年度のレイカディア10か年計画などの最終年度には、県内で総計何カ所の特別養護老人ホームと認可定数は何名に到達せしめようとする計画なのかを問うものであります。  次に、老人保健施設について質問をいたします。  1986年末に老人保健法が改悪されたときに、老人保健施設が、症状が安定し、病院での入院治療よりも看護や介護に重点を置いたケアを必要とする老人を対象に、必要な医療ケアと生活の実態に即した日常生活サービスをあわせて提供するとともに、介護を要する老人の心身自立を支援し、家庭への復帰を目指す施設として老人福祉施設が考えられ、特別養護老人ホームなど社会福祉施設を臨調行革路線に従って、膨張する医療費の抑制を、病院と病床を3分の1近く削減する目的で老人保健法改悪の具体策として実施した老人保健施設に転換しようとされてきたものでありますが、私どもは真の中間施設として考える場合、病院と併設を考え、医療と介護、看護が行き届く体制を保障すること、入所利用者の利便や個人負担の軽減を考えること、地域にまんべんなく公正に配置されること、施設の建設に当たってその補助が適正に行われること、特別養護老人ホームが計画的に必要に応じて建設されることが阻害されないことなどを強く求め、真に老人福祉施設が高齢者やその家族の人々が喜ぶものでなければならないと考えるものであります。そこで、県として独自に改善措置を講ずべきと考えるものでありますが、部長の所見を伺うものであります。  しかし、本県における老人保健施設としては、木之本町の湖北総合病院が併設する伊香病院組合が設置主体となっております定員30名の1施設しかないのが現状であります。これを全国の都道府県の実態と比較してみますと、本年7月末現在で1カ所しかない県は滋賀県と山形県のみでありまして、本県とほぼ同程度の奈良県では3カ所、定員280人、和歌山県では6カ所、定員459人、福井県では8カ所616人であり、鳥取県3カ所220人、島根県5カ所246人と、施設数、定員数とも本県は全国最下位であり、その立ちおくれの現状は、老人の高齢化急増に対する社会保障制度の後進性を示しているのではないでしょうか。これを指摘せざるを得ないのであります。また、本県がこうしたこの面での状況にありながら、県当局が平成3年度予算編成に当たって国に対し予算要求されている重点要求の中では、医療法人で老人保健施設の新設補助対象の要望は1カ所として要望されているにすぎないのであります。県当局の老人保健施設の必要性についての基本的な認識と平成7年度までの建設計画についておよび真に高齢者老人福祉施設としての保健施設について、年次計画を含め、具体的にどのように進められようとされているのかを問うものであります。  次に、社会福祉法人や医療法人として民間依存にのみ依拠されようとするばかりでなく、その施設の性格から見て、県立の医療機関である県立成人病センターとの併設を検討すべきであると考えますが、この点についてはどのように考えられているか、伺うものであります。  また、一保健施設について基準補助額は1,500万円と聞くところでありますが、今日の経済状況から見まして、民間に依拠する場合でも、建築費の高騰などを考えますと余りにも少額であり、県は独自でも補助を増額し、老人保健施設の早期増設を実現すべきであると考えるものでありますが、どのように対処されるのかを伺うものであります。  30人定員の伊香郡木之本町の湖北総合病院併設の老人保健施設では、入所中の30人に対し、これは現在満床──30人全部の定員が満たされているというわけでありますが、この入所を希望する高齢者の方、老人の方が10人以上にも達していると聞き及ぶところであります。また、私の知人の中にも、家庭の事情で在宅で親の介護ができず、大津市内のある民間の施設に1日3,000円の介護、看護、食事、サービス費等を保護者が負担することを条件に入所を認められた人もあるという事例が出ているのであります。高齢者の保健、医療、福祉問題は、決して他人事や高齢者のみという限られた範囲の者のみの問題ではなくて、すべての家族や、やがて到来する健常者、若い方々の避けて通ることのできない道であります。厚生部長の的確な答弁を求めまして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 49番仲川半次郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎厚生部長(中桐正君) (登壇)高齢者の保健福祉対策についての御質問にお答えいたします。  まず、特別養護老人ホームの今後の整備計画についてでありますが、特別養護老人ホームにつきましては、昨年11月に策定をいたしました新社会福祉計画に基づき整備を推進しているところでございまして、現在、16施設、入所定員にして1,135人の施設が整備されており、本年度、4施設150人の新増設事業を推進中であります。今後は、平成7年度未までにおおむね整備率1%、入所定員にして1,700人を目標に整備を促進していきたいと考えており、その具体的な計画につきましては、基本的には高齢化の状況や待機者の状況を踏まえ、地域バランス等を考慮して、毎年おおむね150人程度の入所が可能となるよう対処してまいりたいと考えております。その整備に当たりましては、民間の方々や既設法人から相談を受けているところでもあり、全国的に見ましても、近年設置された施設のほとんどは民間の協力によるものであり、県といたしましても、県立の特別養護老人ホームを新設することは考えておりませんが、施設整備の促進を図るため、国の制度とは別に県独自の助成を行い、官民一体となって取り組んでいるところでございます。  次に、老人保健施設に関するお尋ねでありますが、その必要性の認識につきましては、要介護老人の中には、食事等の日常生活上の介護を必要とするだけでなく、何らかの疾患を持っていて、医療サービスと福祉サービスをあわせて必要とする方も多くおられます。そこで、これら両ニーズに的確に対応できる施設として制度化されたものが老人保健施設であると考えております。特別養護老人ホームとは施設の機能上別のものであり、要介護老人対策のかなめとなる施設として重要であると認識をしております。  第2点目の施設整備計画についてでありますが、本年3月、地域的な偏在を避け、適正な配置を図るとともに、地域や家庭と連携のとれた施設になるよう平成7年度を目標とする滋賀県老人保健施設設置運営基本方針を定めたところでございます。この基本方針に基づきまして、要介護老人の動向や地域的バランスを考慮した上、秩序ある設置を促進していきたいと考えております。平成3年度には1カ所の設置計画があり、さらに現在数病院からの設置についての相談を受けているところでございます。  3点目の成人病センターへの併設についてでありますが、現在構想策定中の健康長寿研究施設のパイロット治療施設部門の中でそうした機能が提案されておりますので、今後検討してまいりたいと考えております。  最後に、建設費に対する助成制度についてでありますが、国においては基本額1,500万円のほか、施設の性格に合わせ、痴呆性施設については2,500万円等があり、さらに県におきましても、他府県に先駆け、国庫補助と同額という全国の中で最も手厚い助成を講じ、対処しているところでございます。 ○議長(岩永峯一君) 次に、5番磯部与志夫君の発言を許します。 ◆5番(磯部与志夫君) (登壇、拍手)平成2年もあと半月、1年を振り返ってみますと、まことに意義深い年であったとしみじみ感ずるのであります。内外ともに戦後45年、大きな転換の年を迎えたのであり、昭和から平成へと古式ゆかしく即位の大礼が行われ、大嘗祭が無事に終了したことは、まことに喜ばしい限りであります。  かつて米国のアインシュタイン博士やイギリスの親日家であったトインビーが21世紀は日本の世紀であると喝破したのでありますが、その時点におきましては、日本は今日のような経済大国でもなく、澄み切った空気、きれいな水が流れて、2世代、3世代の人々が同じ屋根のもとで、しっかりと大自然の中でつつましく暮らし、古い文化と伝統を津々浦々で守っていた姿に、21世紀の日本のリーダーとしての将来を感じたのでありましょう。世界はその後、戦争と主義主張の相克から、平和の理想を掲げながら戦争は絶えたことなく、戦後45年ひとり我が国は世界第1位の債権国となり、世界のトップリーダーとして、まさに今日ではいかに世界に貢献する日本となるか、物、金の世界のトップではなく、平和国家のシンボルとして、高い文化やすばらしい人間性の豊かな自然を守り、環境を破壊しない日本としてその責任は重大であり、国際化、情報化時代を迎えた今日では、この間帰ってまいりました宇宙飛行を終えたTBSの秋山さんが、日本の周囲の海は、美しい宇宙から見れば一番汚く見えたと話している実態は、今こそ真剣に考えなければならない、まさに天使の声であろうと思うのであります。  時あたかも、本県においては、稲葉県政が第2期目の発足に当たって、知事はその所信表明の中で淡海文化の創造を大きく打ち出されたことは、まことに時宜を見通した高次元の目途として深く敬意を表しますとともに、賛同をいたすものであります。また、12月7日県会の冒頭において、本県文化の殿堂としてびわ湖ホールや琵琶湖博物館の計画を打ち出し、500億円に及ぶ巨費を投じて、日本一のびわ湖をシンボルとする本県が、国内はもちろん、海外の人々にも、その環境先進県としての文化の殿堂が湖畔にその雄姿をあらわすことを願うものでありますが、一方、知事はことしの知事選において、県下くまなく隅々まで、老若男女の方々に、殊に老人の方々との熱い握手の手のひらのぬくもりの中で、今日までこの土地ふるさとを、戦中はもちろん、戦後は申すまでもなく、昔から自然とともに歩み続けてきたその苦労を、その額のしわの数から感じ取られて、淡海文化の創造という稲葉知事ならではの信念が生まれたものと信じます。  文化とはカルチャーであり、自然の中から、大地から学び取って、人と自然のかかわりをあらわしたものと私なりに思っておりますが、本県は、京都、奈良に次いで、県内くまなく、殊に山間僻地と言われるところまで、神社仏閣、旧跡が存在し、人が住みついた田や畑が開かれ、集落が形成されていることは、農耕文化の発達の歴史を雄弁に物語っているのであります。  例えば、去る11月18日、秦荘町の斧磨におきまして、明神踊りが66年ぶりに復活をされました。私も奉告祭にお招きをいただきましたが、大正13年の80日に及ぶ大干ばつに、字人たちは裏山の頂にある明神さんに願かけて、枯死寸前の稲が雨によってよみがえった喜びを素朴な踊りであらわしているのであります。その復活の動機は、老婆の1枚の写真と踊りの歌の1葉の紙切れを見つけられたことによって復活されたと聞きました。明治、大正の古い人の申し送りが現在によみがえったのであります。  また、去る11月23日、ディスカバー中山道、これは県下各県事務所で主催されましたが、彦根の県事務所が高宮宿を中心にしたところのディスカバー中山道の催しとなったのでありますけれども、管内の市町に伝わるかぼちゃ踊りやおはな踊り、さらにはまた信長の焼き打ちをアレンジした愛東町の若鮎太鼓、そうして明神踊り等々にも、今日ようやく忘れ去られようとしている申し送りの催しが老人から若者へと、いずれも長い歴史の中で大地に立脚して自然をおろがんだ先祖からのすばらしい遺産であります。  しかしながら、現在、その申し送る若者はほとんど村にはいなくなって、50年、60年昔を知る人も今や急速に減少しつつあります。淡海文化の源の土壌は荒廃寸前であり、過疎は進み、嫁不足、後継者不足は、今後10年もして21世紀を迎えるころには、まさにその枯死寸前の根さえ枯れるのではないかと思うのでありますが、これは、今を生きる中で未来への映像を描く知事が握りしめた村の人々の手のひらのぬくもり、土着の民主主義を打ち出してほしいと願うものであります。県民総参加の新しい構想を打ち立てて、自然共存の淡海文化の創造に、過疎対策、労働力不足対策、嫁不足対策等に抜本的に今こそ取り組んでいただくことの知事の御決意をお伺いするものであります。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 5番磯部与志夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)お答えいたします。  私は、年初来、淡海文化の創造ということを申し上げておりますが、それは、滋賀県にかかわる人々の暮らしそのものを対象にして、これからの時代に共感を得られるような望ましい生活のあり方を築くことであると考えるものでございます。そして、そのことが人類あるいは地球への貢献にもつながる滋賀の高い志を示すことになるのではないかというふうに考えているものであります。  例えば、かつてシジミを川からすくって食べたことや湖の水が飲めたというような話からは、当時の人々の自然とのかかわり方や自然というものに対する意識が今とはおよそ異なったものであったことが察せられるのであります。物質的にはつつましい生活であっても、潤いや優しさというものが地域社会や家庭における人間関係の中に、あるいは物を大切にする心、自然や生き物への接し方にあらわれていたと思います。土を耕して農を営み、湖でのすなどりなどを通してはぐくまれたこうした心の持ちようが、滋賀の地の特性と相まって近江の国の文化や風土を築き上げてきたのだと思うのであります。そして、そうした思いの上に立って、今日ただいま第2次産業の著しい発展をもとに築かれてきた滋賀の活力をさらに将来に向けて持続的に発展をさせていく、そこには、暮らし方や産業、経済活動のあり方も足元から見詰め直していくことが必要になってくるかもしれません。しかし、それらはまさに県民の生きざまにかかわるものであります。それゆえに高い志を持ち続ける行政や県民自身の努力と覚悟が要るのでありますが、それこそが滋賀の気概ではないかと思っております。そのような生活の仕組みや産業活動などのさらなる成熟を目指して、次の世代へと心豊かな生活をしっかりと引き継いでいくという淡海文化を創造していきたいというのが私の願いであります。  御質問にありますような課題は、いずれも私が申し上げております淡海文化を根っこで支える大切な人の問題であり、地域社会のあり方にかかわる問題であります。十分に認識をいたしながら諸施策の一層の充実に努めてまいりたいと存じます。 ○議長(岩永峯一君) 次に、12番野村政夫君の発言を許します。 ◆12番(野村政夫君) (登壇、拍手)1点目、CI戦略と琵琶湖県についてであります。  CI戦略についてのそれぞれの進めにつきましては、もう既に昭和62年からその検討が進められてこられたのであります。行政における滋賀県らしさの創出に向けて、県政運営における統合的なイメージの確立と表明が必要と、そのデザイン問題だけでなく、核となる県政理念が語られてまいったのであります。私は、63年の12月議会におきまして、何をどのようにして推進しようとしているのか具体策を示せと質問をいたしてきたのでありますが、そのとき知事は、CI戦略の展開を通じて、県民と行政のコミュニケーションを深めるとともに、郷土に愛着と誇りを持って国づくりに取り組んでいけるよう、新しい時代の滋賀らしさを県民の皆さんとともにつくり上げていきたいと考えております、幸い本県は、びわ湖という世界に誇り得る資産を有しており、豊かな自然と古くから開けた歴史を持ち、CI戦略の展開のための素材は数多くあり、これらを生かしたユニークで親しみやすい、まただれもが共感を持てるCIを確立したいと答えられてきたのであります。これ以来、庁内での検討も久しく、私たちはいつ具体的なものが県民の前に出されるのか、まずその経過と方策を示していただきたいのであります。  さらに、県民の声が吸収されているのか伺うものでありますし、県内の市町村におけるCI戦略への取り組みは果たしてどんなものでありましょうか、実態も伺いたいのであります。そして、現在の県章をデザイン的に変えるのかどうか、さらには、29年に制定がされておりまして、近年余り歌われないようになりました滋賀県民の歌は果たしてどうなのでしょうか。既に制定されている自然憲章は、いかがなものでしょう。新たに滋賀憲章が必要なのでしょうか。以上いろいろと申さなければいけないわけでありますが、まずこれらにつきましての考えを明らかにしていただきたいのであります。外から見たイメージも大切でありますが、これを進める上で欠くことができないのが県政の理念であります。理念の明確化と共有化を持つことであります。そこに県民の参加が大前提であります。そこで、県政の理念につきまして知事の所信をまず求めるものであります。
     次に、さきの代表質問でも環境王国宣言の提言がありましたが、環境行政につきましては、世界のリーダーとしての位置づけがされ、今後もびわ湖とともに環境先進県としての役割が求められるのであります。本県のイメージとしては、何といってもびわ湖であります。滋賀県といいましても、びわ湖のある地ですよというイメージの方が高いのであります。CI戦略を進める上で思い切って、琵琶湖県と呼び名を使ってはと提言される方が少なくない現状から、この議論を県内で沸かせてはと思いますが、いかがでしょうか。そこから我が県を見詰め直す、またふるさと意識を高め直す土台ともなりますし、まさに環境先進県としての呼び名へと変転するものと期待をするものであります。知事の所見を伺うものであります。  次に、廃棄物とリサイクルについてであります。  地球的規模の環境問題が大きくクローズアップされています。大量消費、大量廃棄社会から、繰り返し資源を再利用する循環型社会への転換を求め、リサイクルをルール化するため、法制化の検討が環境庁で進められているのであります。具体策として、環境教育、再使用や再生利用しやすい商品づくり、ごみ処理の有料化、デポジット方式の制度化等の施策でありまして、今後の廃棄物処理対策のあり方につきましての答申も過日出されているのであります。  本県においては、再生紙の使用等取り組みを進められているのでありますが、最終処分地に苦労されている現況でありまして、さらには不法投棄が後を絶たない状況でもあります。リサイクルに対する本県の取り組みにつきましては、分別収集と資源の有効活用の指導となっておりまして、まず廃棄物のリサイクルに対する現状分析を明らかにしていただきたいのであります。  手軽にできるリサイクル運動の一つでございます牛乳パックの回収につきまして、環境生協での取り組みが現在見られているところでありますが、協力をしようとする県民はたくさんおられるのでありますけれども、身近に取り扱い所がないために、やむを得ず、廃品回収もこれはできない状況になっておりまして、つい家庭用ごみとして出してしまっているのが実例であります。牛乳パックは、御存じのように、再生紙を含まない良質のパルプからできておりまして、30個のパックから5個のトイレットペーパーに再生できると言われているのであります。北陸では、県内のスーパー120店がこの回収に協力されて、環境に対する思いを市民と一体となって実施されているのであります。言うなれば、地球の緑を守るには皆さん一人一人の御協力が必要ですと、牛乳パック回収キャンペーンを行ってっているのであります。こういった販売店、スーパーや大型店で取り組みがされますと、パックを集めてもどこへ持っていけばよいのかわからないという住民の方々にすべての面での協力がしてもらえる、そして身近な小さなことでも、いわゆるリサイクル的な状況での波及が大きいのであります。本県もぜひ、小さなことでございますけれども、呼びかける、そしてまた取り組みの拡大を求めるものであります。さらには、エコポリス構想の今後の推進につきましても、意識の高揚から本当に大切なことでございまして、所見を承りたいのであります。  次に、公共工事からも多くの排出が見られます廃土の処分につきまして質問をいたします。  私は、以前にもこの問題を取り上げ、早い時期から建設残土の処分に関して、有効利用も含めたシステムづくり等を申してまいったのであります。この発生動向調査によりますと、昭和55年度での建設残土は733万7,000立方メートルでございます。昭和65年の予測がその当時は、1.86倍の1,363万3,000立方メートルに増加するというふうに言われておったのであります。そして、建設廃棄物の発生する全量の86%を占めると言われてきているのであります。この膨大な建設残土を初めとる建設廃棄物をどのようにするかで、土木部内にはそれ以後検討委員会を設置されまして、これらの対策が講じられてきたと思うのであります。その1つに土砂の発生抑制化と有効利用の推進でありまして、第2に建設廃材の再利用方策の推進、そして第3に安全な埋立地の確保となっておるのであります。これがどのように具体的な検討の成果があらわれているのか、明らかにしていただきたいのであります。  今後も河川改修等でその土砂処分が大きな課題として出てまいります。ますます増大する建設残土に対しましては、処理計画が不可分でございます。そして、河川改修が進みしても、もとの河川のそのままの残土が放置されている状況も見られるのであります。そのためにも処理計画が不可分であります。これについても考えを問うものであります。  土砂については、もちろん有効利用が求められるのでありますが、これがためには建設残土の発生と需要に関する情報システムが必要であります。これについても、どのように情報システムを整備されてきたのか伺います。  また、建設工事から発生したコンクリートやアスファルトの廃材についても再利用が検討されてきていると思われるのでありますが、その成果も伺いたいのであります。  公共工事の建設工事から搬出されたもので不法投棄がしばしば問題となっております。指定処分方式の採用がまさしく大切であります。県工事での実態を伺いたいのであります。最近、湖南地区を中心に野積みされた残土を多く見受けるのでありますが、これが安全対策も必要であります。こうしてどのようにこの残土をうまく処理していくかということも、今後の土木行政を円滑に推進するためにも必要なことでございまして、これらの方策についても答弁を求めるものであります。  最後に、近畿地建におきまして、関係府県や建設団体と建設残土対策近畿地方連絡協議会を設置されてこられました。これが対策を講じられてまいっているのでありますが、その状況と今後の対策を伺うとともに、本県独自の対策を示していただきますことを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 12番野村政夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(稲葉稔君) (登壇)CI戦略に関する御質問にお答えをいたします。  まず、県政の理念についてでありますが、御質問にもありましたとおり、今日までの県政、また今日ただいま展開をいたしております県政の視点の中には、常にびわ湖、水というものに象徴される自然との共存が基調となっておりましたし、行政の共通認識であったと存じております。また、そうした視点は21世紀へ向けての変わらない一つの理念であろうと確信しております。このような基調の中で県民の生活が営まれ、例えば、日本で一番高い1人当たり付加価値額を生産している活力のある産業活動が持続され、固有の文化、風土が形成される県土づくり、郷土づくりを進めてまいりたいと考えております。そうした思いを込めて、先ほども御答弁申し上げました淡海文化の創造ということも申し上げておるわけであります。このことは、現在CIについて御検討いただいております懇話会の方々にも十分御理解をいただいていると存じております。  次に、琵琶湖県という呼び名の議論で意識を高めていくということはどうかという大変大胆な御提案をいただきました。CI戦略として、民間企業などの場合、社名やデザインなど目に見える形の変更を通して、それを契機としでいかに実態の充実活性化や一体化を図っていくかという戦略がとられますが、そうした意味で、次回の懇話会にでも御紹介をさせていただきたいというふうに思っております。名称は、抽象的なものほど年代的に古いとされておりますが、私は、古い由来を持ち、大変味わい深い、また誇りと愛着を持つこの滋賀という県名が、環境先進県の代名詞としてだれからも認められるよう一層頑張ってまいりたいと存じております。 ◎企画部長(飛彈直文君) (登壇)CI戦略についての御質問にお答えをいたします。  CIに求める基本的な考え方は、先ほどの知事のお答えにもありますとおり、最近の価値観の多様化を踏まえて、県政の基本的な立脚点、理念を確認し、実態としての組織や施策を活性化して、その理念を内外に高め、一体化、定着化させていくことであると認識しております。  そうしたことから、その作業として、まず県民の方々が滋賀県というものをどのようにイメージしているのか、どのようにイメージしていこうとしているのか、またどのようなことを課題として考えているのか、あるいは県外の人々からはどのように見られているのかといったようなイメージ調査やその結果の分析、さらにはさまざまな統計データにあらわれている県の特性の洗い直しなどの基礎的な作業を行ってまいりました。そうした調査やデータから見た滋賀県像として、例えば、ただいまは、そうした基礎的な作業の上に立って、CI戦略に携わってこられた専門家やマスコミ界、産業界、一般の県民の方々で構成をされておりますCI計画推進懇話会で鋭意検討を進めてきていただいておりまして、今まさに御質問にもありますイメージの目標、基本マインドについて御議論をいただいておる最中でございます。ただいま検討いただいておりますこのことがCIのこれからの方向噸を決めるキーになる大変重要なものでありますことから、比較的多くの時間を充ててまいりましたが、御質問にあります今後の日程といたしましては、今年度中にこの基本マインドの検討とその展開方策、手段の検討を経て、CI計画への提言あるいは報告書の形をとって作成作業を終えたいと考えております。その後、それを受ける形で推進計画の原案を庁内で検討し、平成3年度中には、その具体化に向けた作業、例えば基本デザインなりロゴカラーといった開発などを進めてまいりたいと考えております。  また、御質問にもあります県民の声の吸収につきましては、基礎的な検討作業の中でも県民意識調査の結果を用いるなどの手法をとってまいりましたが、今後具体的な表現方法を検討するに当たりましても、県民の多くの方々の共感を得られるものにすることを常に意識してまいりたいと存じます。  また、県章や県民歌などの具体的なことは、今後の検討課題ではございますが、基本的には、余り最初から一度に欲張り過ぎないよう風土については美しいびわ湖に誇りを持つ県にしたいと考えております。  県内の市町村におけるCI戦略への取り組みの状況についてでございますが、CIの場合にはそのものに幅がございますので、他の自治体が独自に何らかの形で取り組んでいる分野があるかもしれませんし、県としてすべての市町村についての状況把握はしておりませんが、大津市や愛東町においてそのための検討ないしデザインづくりがなされていると伺っております。 ◎生活環境部長(前川利夫君) (登壇)廃棄物とリサイクルについての御質問にお答えいたします。  私たちは、地球の自然資源を大量に利用することによって経済活動を行ってきました。しかし、その結果として地球に大きな負荷をもたらしてきており、地球環境の保全について重大な責任を自覚する必要があります。私たちの祖先は、農耕、漁業の営みを通じて、大気、水、土壌、生物、気候など自然生態系の恩恵を受けて循環型の社会活動を行ってきました。また、一升瓶の回収、再利用のほか、紙や古着、鉄くずの回収、再生など、独自のリサイクル文化が息づいておりました。しかしながら、近年、使い捨て商品やワンウエー容器の増大、有害物質を含む処理の困難な廃棄物など、ごみ量の増加と質の変化が社会問題となってきている折から、リサイクルの伝統に学び、これを生かすことが新しい社会、循環型社会であると考えているところであります。今後は、循環型社会の形成に向け、人づくり、情報の円滑化、環境を保全するための施設の整備の施策を計画的に推進していく必要があると考えております。  現在、企業、行政、住民がそれぞれ環境に配慮したリサイクルへの取り組みがなされているところであります。企業においては、社内での再生紙の利用や古紙の分別収集、工場内での廃熱利用等であります。行政においては、ごみの減量と再資源化のため、廃プラスチックをフラワーポットに再生利用したり、「くう缶鳥」の設置や物を生かす交換銀行の運営、リサイクル推進講演会の開催などであります。さらに、エコポリス計画においても、良好な都市環境をつくるための都市づくりを提案しているところであります。住民の活動では、廃食油の回収、古新聞、アルミ缶等の集団回収、不用品交換会の開催などが行われております。  お尋ねのありました牛乳パックの回収についてでありますが、本県においても、消費者団体やボランティアグループ、PTA、子供会、老人会などを中心に、回収活動が各地で 行われてきているところでございます。こうした牛乳パックの回収運動は、環境問題を県民一人一人の身近な問題として考えるきっかけとなるものであり、非常に意義のあることと高く評価をしているところでございます。このような取り組みのほかに、現在、県内の大型店においては、消費者団体の協力のもとに、牛乳パックの回収ステーションについて前向きに検討がなされているところであり、県としても、その実現について支援してまいりたいと考えております。また、市町村に対しても、回収活動についての先進事例の紹介やリサイクルルートの情報提供を行うとともに、回収拠点の整備等について要請してまいりたいと存じます。さらに、県下64団体で構成している省資源・省エネルギー県民運動推進会議を通じリサイクル運動を呼びかけるなど、県民がいつでもどこでも気軽に回収運動に参加できるよう条件整備に努めてまいりたいと考えております。  びわ湖を持つ本県といたしましては、廃食油の回収などびわ湖の水に優しいリサイクル活動を行ってきたところであり、こうした活動をさらに21世紀に向けて推進してまいりたいと存じております。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)公共工事の排出廃土の処分についてお答えいたします。  建設残土につきましては、近年の公共工事を初めとする内需拡大策、活発な民間投資によるビル建築需要の増加等によって残土発生量が増加する一方、環境保全面からの土地利用規制、都市化に伴う空き地の減少等によりまして、残土の受け入れの空き地の絶対的な不足が全国的に深刻化しております。本県におきましても、全国の例に漏れず、公共工事から発生する残土の処分につきましては、処分地が減少しており、適正な処理が困難となりつつあります。そこで、昭和59年には土木部内に建設廃棄物処理対策検討委員会が設置され、土砂の発生抑制策および有効利用方策の推進と建設廃材の再利用方策、処分地対策等について、処理の現状を把握しながら処理対策を検討したところでございます。  まず、第1点目の検討成果でありますが、残土処分につきましては、従来から自由処分方式を主流としていたために、ややもしますと請負業者の処分にすべてゆだねることになって不法投棄を誘発することになりかねない実情から、建設残土等積算基準の改定が重要と考え、平成2年度より少量の残土を除き指定処分方式を採用し、残土の適正な処理に努めているところでございます。  第2点目の処理計画についてでありますが、設計段階での発生抑制方策や情報交換制度による有効利用方策などを効果的に実施し、残土発生量の減量に努めております。  第3点目の建設残土の発生と需要に関する情報システムにつきましては、本県では昭和59年度から大津、草津、水口、八日市の各土木事務所で建設残土情報交換システムを導入し、昭和60年度からは県下すべての事務所に拡大しております。さらにその後、湖南地区の大津市、草津市、栗東町を含め、本システムの充実を図っているところであります。ちなみに、昨年度はこのシステムにより、約10万立方メートルの建設残土の有効利用が行われたところでございます。  第4点目のコンクリートやアスファルトの廃材についての再利用でありますが、アスファルトの廃材につきましては、路上で再生路盤として昨年には約2万平方メートルを施工し、再利用しているところであります。また、アスファルト廃材からの再生合材として再利用する工法につきましても、近い時期に使用できるよう検討中でございます。  なお、コンクリート廃材の再利用につきましては、建設省において現在試験研究中でありまして、その成果を踏まえて活用を研究してまいりたいと考えております。  第5点目の処理方式による処分の実態でありますが、平成元年度に県が施工いたしました土木工事の残土にかかわる処分状況は、残土の発生量約134万立方メートルのうち、約70%に当たる94万立方メートルを指定処分として処分したところでございます。平成2年度からは、指定処分の占める割合はさらに高くなるものと見込んでおります。  第6点目の野積みされた残土の安全対策でございますが、防災施設等が必要な場合においては、その規模等をよく見きわめて防災施設を設計計上することといたしております。そして、安全対策には万全を講じるよう指導しております。  第7点目の建設残土対策近畿地方練絡協議会の状況と今後の対策については、この協議会は、建設残土の総合的施策の推進を図ることを目的として近畿地区で設置された組織でございます。近畿圏内における残土の計画的な処理について、必要な協議、情報の交換を定例的に行っているところでございます。今後につきましては、情報交換システムの充実を図るとともに、残土発生の実態調査を公共土木、民間土木および建築工事について実施し、平成3年度には、将来発生量の推計と建設廃棄物の処理対策を協議会において検討される予定であります。  最後に、本県の独自の対策についてでありますが、建設残土の有効利用につきましては、土木部だけでなく、農林部関係あるいは市町村等の広域的な情報収集が必要であり、建設残土情報交換システムへの参加機関の拡大を図り、より一層有効利用を図りたいと考えております。なお、処分地につきましても、関係市町村と連携を密にし、適正な残土処分地の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆12番(野村政夫君) (登壇)企画部長に1つ質問をいたしておきたいと思います。  62年から庁内で検討をされてまいりまして、今年度中に懇話会からの提言をまとめていただくというような説明でございましたが、私は、この検討当時、どうも一部分の方々だけがこれを検討されている、まさにCI戦略については県民が当初からそこに参加していかなければいけない、県民に理解をされない、そしてまた慕われないものが、例えばデザインなどが出てまいりましても、何のためにこれをしてきたのかということでございます。したがいまして、細かい検討の状況の中からそれを公表し、いろいろと議論をしていくということが私は大切だというふうに思います。かつて文化行政が進められ、文化論が庁内でいろいろと議論され、行政の文化化等が出てまいったときでも、一つの懇話会の提言集のようなものも発行されたり、いろいろとすべての面をガラス張りに、その都度、県民からの声を出してもらえるような、参加してもらえるような方策も講じられてきておりました。CI戦略については、私はどうもそういった面が欠けておるのではないかというふうに思うのであります。民間でございますと、一挙に社名を変更して、ぼんと打ち出して、本当のコーポレーションアイデンティティというものを確立できるのでありますが、行政のCI戦略というのはそこに難しさがあろうと思います。その難しさを克服するためにも、県民意識が高まらなければいけない、そういう状況からのことがまさしく私は欠けておるというふうに思うのであります。そういう点につきまして、いち早くガラス張りな状況を、今までどういうふうにしてやってきたということを示さなければいけないと思いますが、その方策を再度問うものであります。 ◎企画部長(飛彈直文君) ただいま懇話会で、先ほど申し上げましたような基本スタンス、基本マインドといったものを検討していただいておりますが、その中に音楽とか絵にもかかわるそうした県民の代表の方も入っていただいております。そこでいろいろ検討しておりますが、具体的にこれを進める場合には、当然県民の方々の意識を高めるためにこれを行っていくものでございますので、そうした点は十分意を用いなければならないと思っております。幾つか先進県でもCIに取り組んでいるところがありますが、そうしたデザイン開発にしても、いろいろ工夫したり、あるいは一部の県ではそうした点について反省をしたりしているところもあるようでございますので、そういったものを十分踏まえて、例えばデザインということになりますと、いろいろな広報紙でまず県民の方々の基本的な御理解あるいは認識を図った上で進めていくといったような手法にもなってくると思いますので、そのあたりは十分注意して進めてまいりたいと思っております。 ○議長(岩永峯一君) しばらく休憩いたします。    午後2時57分 休憩    ───────────────    午後3時34分 開議 ○議長(岩永峯一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、10番大林清君の発言を許します。 ◆10番(大林清君) (登壇、拍手)最初は、障害者共同作業所の整備促進および運営について厚生部長に伺います。  障害者共同作業所は、障害者と家族の願いをもとに、地域の多くの人々の不断の努力、自主的な運動や支援により、過去10年間に県下各域に開設されてきました。平成2年度では、7市29町にわたって63カ所設置され、760人の人たちが通っており、設置数では対人口比で1万9,000人に1カ所と、全国で最も数多く設置されるまでに至っていると伺っています。本県では、昭和53年度に補助金制度を創設されましたが、関係諸施策の推進と円滑な運営に向けて助成の充実に努力されてきた、こうした取り組みは、全国的に見ても高い評価を得ていると聞いております。しかしながら、こうした共同作業所の急増の背景には、例えば、精神薄弱者通所授産施設で見ますと、昭和63年度では設置数で全国で17番目、また精神薄弱者援護施設は人口比率で全国36位となっており、一方では、者の施設体系の著しいおくれから、障害者ニーズに十分こたえ切れていないという現状があることも見過ごせない事実だと考えられます。  ところで、共同作業所は法体系上無認可施設となっていますが、今日のように障害者就労を取り巻く厳しい社会的状況にあって、これだけ広い地域から障害者を受け入れている状況を見るとき、障害者共同作業所は極めて公的性格の強い施設だと考えられますが、所見を伺います。  第2は、障害者共同作業所の施設整備の推進についてであります。無認可共同作業所の法内施設への移行については、これまでにも県として努力をされているところであります。本県では、平成元年度に滋賀県新社会福祉計画が策定されたところでありますが、それによりますと、平成7年度を目標に、共同作業所を79カ所、869名に、また精神薄弱者授産施設および身体障害者通所授産施設を合わせて、施設数では現在の11施設から15施設に、また定員数では367名から540名に整備を行うことになっています。現在、無認可共同作業所が処遇面や運営面の向上を図るために社会福祉法人を設立し、認可施設への移行を進めている例は少なくないようであります。また、こうしたことへの期待も大きくなってきています。しかし、国の認可基準等もありまして、土地建物に多額の自己資金が必要とされるわけで、現実的には非常に多くの困難を抱えているのが現状だと聞いております。県として無認可共同作業所の法人化促進に向け、地方公共団体とともになお一層の援助が必要であると考えるものでありますが、所信を伺うものであります。  この項の最後は、共同作業所の運営についてであります。昭和61年度に障害者共同作業所の整備および運営について、厚生部内に検討委員会を設置され、翌年の5月にその結果をまとめられましたが、報告の中で、県および市町村の補助金の増額にもかかわらず、その運営は依然として厳しく、職員の献身的な努力によってかろうじて支えられているものの、運営面の不安定さが常に障害者の生活を脅かしている現状にあり、施設の整備状況も著しく不十分であると指摘され、引き続き検討が必要であるとしています。また、昭和63年12月の県議会において、本県の補助金の額は、他府県の例から見ますと、かなりのレベルに達しております、しかしながら、本年度の共同作業所の運営指導調査の結果を見ますと、補助金への依存度は大変高く、その運営実態には非常に厳しいところがあり、県といたしましては、こういう実態を踏まえ、助成の充実につきまして今後とも努力をしてまいりたいと考えておりますと、当時の厚生部長は答弁されているわけでありますが、滋賀県共同作業所連絡会が対象箇所数47共同作業所のアンケートをもとにした実態白書によりますと、1人当たりの実質経費が平成元年度で月額7万2,600円、本年度は月額8万円となっており、共同作業所1カ所当たり年額約330万円もの赤字を計上している結果となっています。また、職員の賃金月額が年齢別平均で、20歳代12万9,524円、30歳代で14万7,990円、40歳代13万4,760円、50歳代15万4,300円となっており、諸手当も非常に少なく、一般行政職との格差は極めて大きくなっており、将来に対する不安もあり、職員の雇用も思うに任せず、退職をしていく職員もふえている現状だとのことであります。  福祉に携わる人たちの労働条件の改善については、さきの代表質問で我が会派の川口議員から指摘をしたところでありますが、重ねて伺います。共同作業所で働く職員の身分保障や労働条件の改善が図られるため、補助単価の引き上げなど助成の充実に努められ、共同作業所で働く障害者の雇用の促進に積極的に努力されることを願うものでありますが、誠意ある答弁を期待するものであります。  次に、農家経済に関練して農林部長に伺います。  本県の農家所得は、昭和63年度で803万円余であり、その内訳は、農業所得約41万円、農外所得761万円余となっており、全国に比べかなり多くなっていますが、これは、兼業から得る収入が多いためであります。一方、農業粗収益が低く、しかも農機具費を初めとする農業経営費が高いため、農業所得は全国に比べて極端に少なくなっている現状であります。  ところで、8月までは水稲も順調に生育し、喜んでいた矢先、9月の台風と長雨による影響で収量減とともに、特に品質悪化という残念な結果となりました。すなわち、コシヒカリ1等は9月中旬までの収穫であり、それほど悪影響はありませんでしたが、日本晴1等については、収穫時期と重なり、平成2年産78.1%であり、平成元年産88.3%と比較し10.2%の大幅ダウンとなりました。また、本県では、コシヒカリに比べ作付面積の多い日本晴が1等から2等以下にランク下げとなり、政府売り渡しとなり、自主流通対策費の加算もないとなると、農家ははかり知れないほど損失をこうむることになると考えるものでありますが、農家経済に与える影響についてどのように考えているのか、まず伺います。  日本晴は、本県では湖南地方、特に甲賀郡は多く作付されています。甲賀郡の農協のトータルで日本晴の検査成績によりますと、平成元年産1等90.5%、平成2年産1等61.3%と、昨年より29.2%の大幅ダウンの状況であり、県平均の落ち込み10.2%を大きく上回っている悪い結果であります。したがって、日本晴作付面積の多い地域は、平成2年分農業所得標準表における標準所得区分の金額の引き下げを願うものであります。過日、県農協中央会は、大阪国税局、県農業所得標準協議会連合会に対し、平成2年分農業所得標準作成に関し要請を行われたと仄聞していますが、農林部としても関係機関へ強力な働きかけを行い、農家経済への影響を最小限にとどめるよう期待し、伺うものであります。  次は、下水道事業に関練して土木部長に伺います。  本県では、びわ湖を初めとする公共用水域の水質保全、県民の快適な居住環境を実現するための有効な手段として下水道を位置づけ、昭和46年度に琵琶湖周辺流域下水道基本計画を策定し、これに基づいてさらに富栄養化防止の観点からも検討を加え、湖南中部、湖西、彦根長浜、高島の4処理区から成る琵琶湖流域下水道および流域関連公共下水道と大津市単独公共下水道を主体とした下水道整備が進められてきたところであります。加えて、近江八幡市の沖島と土山町において特定環境保全公共下水道事業に取り組まれているところです。汚水処理の方式としては、県内のいずれの処理場においても、高度処理を導入しているのが大きな特徴でありますが、県全体の下水道普及率は、平成元年度末で23.5%であり、全国平均42%に比較しますと、まだまだ低い状況であります。ことし6月に決着した日米構造協議で、430兆円公共投資を拡大するため、来年度予算から新設される生活関連枠2,000億円が下水道にも相当見込まれると仄聞しているところであり、本県の下水道事業のより一層の拡充を強く願うものでありますが、事業推進に当たって、その所信を伺います。  第2は、市町公共下水道と接続いたします流域下水道の末端処理分区における幹線管渠の延伸についての問題であります。湖南中部処理区の甲西北幹線の末端処理区である甲賀東処理分区は636.8ヘクタールと広い上に、投入点が1カ所しかなく、流域幹線が通過している他の市町に比べ著しい不利益を受けている実情であり、町の財政負担の軽減あるいは下水道事業の推進に大きく寄与すると思われるため、延伸を強く願うものであります。このことは、甲賀町のみでなく、末端処理分区を持つ多くの町は、流域幹線管渠の延伸に関して特に関心の強い問題であると思われるため、今後どのような対応をされるのか、その考えを問うものであります。  また、県は市町の下水道事業推進の施策の一つとして、国庫補助対象事業については事業費の10分の1を、また単独事業の場合、事業費の5%について補助ということになっており、市町の事業推進に少なからず寄与しているところであり、高く評価するものであります。しかしながら、公共下水道の補助対象となる管渠の範囲が、予定処理区域の面積、下水排除量によって定められております。このような状況の中、末端処理分区において公共下水道事業が進捗し、処理区域の面積が拡大するに従って、下水排除量がふえる仕組みであり、予定処理区域の面積が500ヘクタール以上の場合、下水排除量1日当たり140立方メートル以上でなければ補助対象とならないという矛盾が拡大してくる仕組みになっており、甲賀町の末端処理分区である甲賀東処理分区は、将来636.8ヘクタールが計画されているところであり、町単独事業が多く、財政負担が増大するわけで、事業の進捗のため公共下水道管渠の補助対象範囲の拡大を願うものであります。土木部長の所見を伺います。  最後に、学校教育費について教育長に伺います。  去る8月1日、文部省は、昭和63年度地方教育費調査の中間報告を発表いたしました。それによると、地方教育費は、総額が14兆7,937億円で、前年度より3.6%増となっています。幼児、児童、生徒1人当たり学校教育費の都道府県別状況によりますと、幼稚園は全国平均43万6,450円、本県46万9,754円で9位、小学校は全国平均57万8,909円、本県49万7,567円で42位、中学校は全国平均59万9,117円、本県51万7,387円で43位、盲、聾、養護学校は全国平均539万7,226円、本県603万9,822円で16位、全日制高校は全国平均68万5,451円、本県59万8,497円で40位となっています。また、小中学校の1学級当たりの学校教育費について、小学校は全国平均1,783万9,745円、本県は1,515万6,412円、中学校は全国平均2,252万5,700円、本県は1,851万4,770円で、それぞれ全国最低という不名誉な結果となっています。まず、文部省のこの地方教育費調査の学校教育費の幼児、児童、生徒1人当たりの教育費および1学級当たりの教育費が全国的に見て低位の状況にあり、その要因は、教員の年齢構成が全国平均に比べて4歳程度若いという点はあるものの、もう1つの要因として、滋賀の給与水準が低いという点もあると思いますが、全国および近畿地方の実態を踏まえて、その考えを伺います。また、この事実についてどのような対応をされるつもりなのかも伺います。  以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 10番大林清君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎厚生部長(中桐正君) (登壇)共同作業所に関する御質問にお答えいたします。  共同作業所は、法体系に組み込まれていない、いわゆる無認可の施設でございますが、在宅の心身障害者が住みなれた地域において生き生きと暮らし、働く喜びを感じる福祉的就労の場として、また地域福祉の社会資源として重要な役割を果たしていることから、その運営状況にかんがみ、昭和53年度から単独事業として補助を行ってまいりまして、平成2年12月現在、補助対象は63カ所となっており、全国的にも高い設置率となっております。このことは、共同作業所が果たしている地域福祉における多様な機能、役割を十分認識評価し、積極的に補助を行い、設置促進を図ってきた相互理解による結果であろうと考えております。  次に、共同作業所の法人化についてでございますが、共同作業所がより安定した運営を行うため、県といたしましても、社会福祉法人が運営する通所授産施設への移行を推進いたしており、現在8カ所が法人化いたしております。御指摘のとおり、法人化への移行に際しましては、土地や自己資金の確保などいろいろな課題がございますが、今後も法人移行の可能な共同作業所については、市町村の協力や関係機関との十分な連携を図り、民間資金の活用などとともに、県といたしましても応分の助成を行ってまいりたいと思っております。また、法人化が困難な共同作業所につきましても、それぞれの地域の実情や共同作業所独自の運営方針などを十分考慮し、可能ならば平成2年度より国において実施されました制度であります既設の社会福祉法人の運営する通所授産施設の分場として設置されるよう指導してまいりたいとも考えております。  次に、共同作業所の運営に関しまして、まず共同作業所で働く職員の労働条件の改善でございますが、共同作業所の職員給与等につきましては、運営費補助金の対象経費として込まれておりまして、それぞれの共同作業所の実情に合わせ算定されているところでございます。また、その他の労働条件や身分取り扱いについても、作業内容や通所人員数より独自で規定されているところでございますが、それぞれの共同作業所によって条件の違いはあるものの、一般的には厳しい状況であると認識いたしております。県といたしましても、これらの実情を勘案しながら、それぞれの共同作業所の運営や作業内容の改善、見直しを行うとともに、運営費補助金を引き上げ、労働条件の向上を図ってきたところでございます。一方、運営費補助につきましても、本県の補助金の額は、他県に比べ高いレベルにございますが、今後共同作業所に働く職員の勤務状況を含めたその実情や他府県の動向などを十分勘案して対応していきたいと考えております。 ◎農林部長(豊田卓司君) (登壇)農家経済に関連しての御質問にお答えします。  まず、台風と長雨による水稲被害に係る農家経済への影響についてでありますが、本年産米の県全体としての作況指数は平年並みと発表されております。しかし、地域や収穫時期により作柄に格差が生じており、特に日本晴の作付が多い湖南、甲賀、中部地域においては、品質の低下が目立っております。これら品質の低下に伴います農家への影響でございますが、県下平均耕作農家──これは約80アールでございますが──で約6,000円程度と推定されます。県におきましては、これの救済を図るため、農業共済制度における特例措置を国に強く要望してまいったところ、このほどこの適用が認められたものであります。  次に、水稲に係る農業所得の算定についてでありますが、これは、国税局、県、地区協議会等が合同で調査しましたデータを基本として、農業団体代表者意見聴取会議を経て、県農業所得標準協議会連合会で標準が決定され、これを基準に、地区ごとに各市町村と税務署が共同で、農水省統計情報事務所の公表収穫量を踏まえながら毎年1月に策定される仕組みとなっております。このように農業所得標準は、客観的な資料や関係者の意向を踏まえた形で算定されることになっておりますので、今回の台風、長雨によります影響についても加味され、また関係団体の意向も十分反映されるものでございます。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)下水道事業についての御質問にお答えいたします。  下水道事業は、県民の生活環境を改善し、あわせて公共用水域の水質を保全する重要な役割を担っております。さきの琵琶湖水政審議会の意見書の中でも、水質保全に係る事業の充実強化について十分考慮する必要があるとされております。下水道整備の促進については、より一層努力する決意を新たにするものでございます。  本県の下水道普及率は、平成元年度末において、全国平均に比べて低いものの、近年はその伸び率が3%程度と、全国平均より大幅に上回っており、また市町村が実施しています公共下水道事業の実施市町数が40市町となり、実施率が80%で、全国平均の40%に比べて高いものとなっておりまして、このことは、県、市町のいずれもが大きな投資をして取り組んでいると理解しております。下水道事業は、琵琶湖総合開発事業の重要な事業でもございますので、今日までも精いっぱい頑張ってまいりました。さらに来年度からは、日米構造協議の決着により、生活の質の向上を目指す公共投資の拡充という国の方針の中で第7次下水道整備5カ年計画案が策定され、その柱は、全国の下水道普及率を平成7年度未には44%から55%まで引き上げる予定となっております。本県にとっては、この機会に大幅な予算の確保を図り、事業の積極的な促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、流域下水道の幹線管渠を延伸すべきではないかというお尋ねでございますが、流域幹線の延伸につきましては、当処理区の計画策定後、昭和52年度に国において、流域下水道の幹線は原則として末端市町村の行政界を越えてはならないという採択基準が定められたことから、それ以後、幹線の延伸は非常に困難となっております。しかしながら、末端町の実情を十分踏まえて、かねてから関係町ともども建設省に対して延伸が図られるよう要望を重ねているところであり、今後も引き続き積極的に働きかけてまいる所存であります。  最後に、公共下水道管渠の補助対象範囲の拡大についてでありますが、本県の下水道整備は、県民の生活環境の改善とあわせて、閉鎖性水域であるびわ湖の水質保全を図る上で重要な事業との認識に立って、補助対象範囲が拡大されるよう、機会あるごとに国に対して要望しているところでございます。そこで、国におきましては、昭和62年度の改善以降、今年度も一部の改善が行われたところであり、また平成3年度の建設省重点施策においても、中小市町村の整備促進として補助対象範囲の拡大が挙げられていることから、今後ともなお一層改善が図られるよう引き続き強力に要望してまいる所存でございます。 ◎教育長(西池季節君) (登壇)学校教育費についての御質問にお答えいたします。  生徒1人当たりや1学級当たりの本県の学校教育費の数値が全国平均に比べて低いという御指摘でございますが、この数値は、昭和63年度中に学校教育費として支出した金額をそれぞれ学校種別ごとに対象となる全児童生徒数あるいは全学級数で割った単純平均額を都道府県別に比較したものでありまして、例えば離島、僻地等の自然条件や通学条件の違いによる必要経費の状況、教職員の年齢構成の相違による給与費の状況等、学校教育費を構成する諸要素を考慮した比較とはなっておりません。したがいまして、これらの数値を比較するためには、その数値の背景にあるそれぞれの都道府県の実態を踏まえた検討が必要であると考えます。  本県の実態といたしましては、数値の低さの一つの要素として、教員の平均年齢が非常に若いという状況がございます。昭和61年度の学校教員統計調査によりますと、本県の教員の平均年齢は、小学校は35.5歳で、全国平均39.4歳と比べ約4歳低く、これは全国一の若さであり、また中学校では35.3歳と千葉県に次いで若いという結果になっております。学校教育費のうち教員給与費が約44%を占めておりますことから、これを構成する教員の平均年齢が全国で1番目、2番目に若いということは、結果として学校教育費総額を少なくしているのではないかと考えられます。さらに、小中学校とも本県は全国平均と比較して1校当たりの学級数が多いことも、学校基本調査の結果明らかになっております。また、学校教育費の中で教職員の給与や学校の維持費等を主とする昭和63年度の本県の消費的支出の総額は957億4,088万円で、前年度比6.1%増となっており、全国第1位の伸びを示しております。さらに、本県では、たくましい人間形成と郷土愛に根差した社会性等を養うため、全国でもユニークなびわ湖フローティングスクールを学校教育の一環として実施しておりますが、これに係る経費につきましては、統計調査上学校教育費の中には分類されず、社会教育費の中に計上されているという面もあり、このような本県教育の特性をも考慮していく必要があると存じます。  先ほども申し上げましたとおり、この種の統計調査の結果につきましては、これを構成する要素と背景を十分に考慮し、多面的に考察することが必要であると考えられますが、そうしたことを考慮して総合的に判断いたしますと、本県における学校教育費の平均値が全国平均に比べて低いという調査結果から、本県教職員の給与水準が低いという結論を導き出すことは困難であると考えております。  いずれにいたしましても、この調査結果は、本県の教育水準が低位にあるということではなく、むしろ年齢層の若い教職員に支えられて学校教育が展開されているということを示しているのではないかと考えられますので、このことを十分踏まえ、本県教育の振興に努めていきたいと考えております。  なお、教職員の給与水準のあり方につきましては、公務員の給与決定の原則に従い、県人事委員会の専門的な調査結果による勧告に基づき決定される事項でございますので、今後ともこのルールに従って対応していきたいと考えております。 ○議長(岩永峯一君) 最後に、14番桐山ヒサ子君の発言を許します。 ◆14番(桐山ヒサ子君) (登壇、拍手)リゾートやゴルフ場開発、第二名神問題、福祉、農業の問題について関係部長に質問します。  今、来年度予算編成時期ですが、私は、日本共産党の甲賀湖南2市10町の議員団とともに、県民の切実な要求を来年度の政府予算に盛り込むよう11月27、28日の両日上京し、直接政府にその実現を迫りました。この中で、在宅歯科治療の国庫補助制度の創設要求に、現在全国で7カ所のモデル地区を来年度から3年計画で全国都道府県各1カ所に広げたいと回答、また学童保育所に対する人件費の国庫補助についても、現行の人口3万人以上の自治体を全市町村に対象を広げ、補助額も増額したい、さらに保育料の徴収基準から祖父母の収入を除いてほしいという要求に、厚生省は来年度から軽減措置を講じたいと回答するなど、多くの成果を引き出すことができました。こうした政府交渉の経過も踏まえ、まずリゾートとゴルフ場の問題について企画部長ならびに商工労働部長にお伺いします。  第1点は、リゾート開発とゴルフ場の再凍結通知との関連についてです。この問題は、さきの代表質問で林議員も取り上げましたが、改めて幾つかの問題点を指摘しながら、再凍結通知の実効ある措置を求め質問します。  今回の再凍結通知は、自然と生活環境を破壊するゴルフ場開発に対し、住民とゴルファーの健康、安全を守る立場から、一貫して規制を求めてきた日本共産党・革新共同議員団や住民の運動にこたえたものですが、今回の知事の英断を生かすためには、経過措置を含め、多くの解決すべき問題があります。  そこで、県内のゴルフ場開発の推移を振り返ってみますと、滋賀県で最初にオープンしたのは1959年栗東の琵琶湖カントリークラブです。これは第1次ゴルフ場開発ブームのときでした。その後1970年代の田中内閣による日本列島改造のもとで開発が相次ぎ、1974年には18カ所になり、県はその年6月18日付で開発抑制通達を出しました。ところが、協議中の計画がその後相次いで開設され、1985年には抑制通達時と比べて1.7倍に増加しました。さらに県は、自民党の強い要求にこたえ、1985年5月20日付で緩和通達を出しました。これをきっかけに、第3次ゴルフ場開発ブームと相まって、今日既設のゴルフ場33カ所に対し、造成協議中13カ所、さらに全県で50を超える開発計画が持ち上がっています。  今日のゴルフ場開発ラッシュの最大の要因は、言うまでもなく、リゾート開発によるものです。第1次、第2次のゴルフ場開発ブームとの根本的な違いがここにあります。民間活力導入の名のもとに、大企業がリゾート開発を行うのを国や地方自治体が援助する法律がいわゆるリゾート法ですが、ゴルフ場建設のために国有林も活用する、保安林指定も解除する、事業税、固定資産税も減税するというものですから、ここにメスを入れないで一般的に凍結だけを打ち出しても、それは実効あるものとはなり得ないでしょう。凍結通知によりますと、今後新たな開発計画の申し出は、原則として受理しないとしています。確かに12月1日以降の申請は受理されませんが、現在市町村に上がっている開発計画については、その市町村の国土利用計画や総合発展計画などに位置づけられ、なおかつ平成3年度末までに入れば、事実上規制対象外となっています。ここが問題です。  県内でゴルフ場が集中する甲賀郡を例に挙げてみましても、既設のゴルフ場17カ所に対し、造成中1、そして申請中の新増設が9、さらに計画中が6カ所もあります。私どもの調査では、これらの計画がすべて国土利用計画に既に位置づけられています。ゴルフ場開発を容易にするために国土利用計画を見直したという自治体もあります。1985年の規制緩和通達では、ゴルフ場開発が地域振興のための民間活力導入の一環として、地域経済の活性化に寄与できるとして、開発計画は市町村の発展計画や国土利用計画に位置づけられたものとなっていたため、市町村がゴルフ場開発をリゾートの目玉として位置づけ、積極的に推進してきたのが実態です。県の総合土地対策要綱では、県土が限られた資源であり、県民の責重な財産であることを認識して、その有効適正な利用の確保を図るとしていますが、実際は、リゾートと称してびわ湖や緑豊かな滋賀の山々が乱開発によって破壊されようとしています。  そこで、企画部長にお伺いします。  現在50以上という開発計画のうち、市町村が国土利用計画などに位置づけられているのは何カ所でしょうか。さきの甲賀郡の例にも見られますように、計画の多くが国土利用計画の中に盛り込まれており、平成3年度末にはさらにその数はふえるものと見られます。県は凍結を打ち出した、あとは市町村の問題というのではなく、県の国土利用計画、とりわけびわ湖を抱える滋賀県にとって、県土の自然環境を保全する立場からの指導と指針がこのときにこそ生かされるべきです。規制を生かす上でどのように把握されているのか、お尋ねします。  また、県のリゾート重点地域で計画されているゴルフ場についてはどう対処されるのか、お尋ねします。県は繰り返し、リゾートといえども特別扱いはしないと述べていますが、今回のゴルフ場開発ラッシュの最大要因がここにあるだけに、この点でも県がみずから率先してリゾートとの関連を明確にする必要があると考えます。県が直接指導するリゾート計画の中のゴルフ場を県みずから撤回することが今回の再凍結の精神を生かすことであり、県が模範を示して市町村に徹底できるもので、ここのところで規制に対する県の姿勢が問われています。御承知のように、静岡県は、優遇税制を適用されるリゾート計画の中からゴルフ場と会員制施設を除外することを全国で初めて打ち出しました。千葉県成東町では、ゴルフ場開発に絡んで町長らが2億数千万円のわいろを受け取るという事件が発生しました。また、県内でも、浅井町の町会議員に開発業者が商品券を配ったということもありました。業者にとって2億円をばらまいてもなお開発したいという魅力がゴルフ場開発にはあるわけです。つまり、ゴルフ場開発の背景には、大企業の会員権大量発行が野放しになっている状況があるわけです。地域の開発計画は、こうした大企業が行うもうけ本位の乱開発政策を根本的に転換し、環境保全を前提にした総合的な開発計画でなければなりません。改めてリゾート法とゴルフ場との関連について企画部長にお尋ねするものです。  関連して、リゾート重点7地域のうち信楽高原地区における開発計画と地域の伝統産業を守ることについてお伺いします。  日本六古窯の一つとして独特の味わいを持つ伝統産業の信楽焼に欠かせない陶土の埋蔵地に、県や町が民活を導入してゴルフ場やレジャー施設などを核としたリゾート開発を計画していることが明らかになり、リゾートで伝統の信楽焼をつぶすのかと大きな問題になっています。良質の粘土が埋蔵されているのは、信楽町神山の三郷山一帯です。この地域に社団法人民間活力開発機構が全国のモデルリゾートとして、ゴルフ場やレジャー施設などを核としたグリーン・ステイ紫香楽開発計画を打ち出しています。対象地域が国有林であるため、伝統の信楽焼を守るためにも、リゾート地から除外するよう先月末の政府交渉で林野庁に申し入れたところ、林野庁は、計画は地域振興を目的としており、地元の納得が必要、営林局にも伝え、十分指導していきたいと回答されました。県はこのことを踏まえ、リゾート信楽高原地区計画、とりわけグリーン・ステイ紫香楽構想を見直し、信楽焼を守るためにも、対象地域から三郷山一帯を除くよう強く求めるものです。御承知のように、隣接する三重県阿山町からも、ことし7月下流住民に水量、水質ともに影響が及ぶことが予想されるので、同意できないとする開発構想に反対する意見書が信楽町に出されています。このことも含め企画部長の明確な答弁を求めます。  また、御承知のように、信楽焼は、原料の陶土が1,200度の高温に耐える土質であるため、それが他の産地では見られない独特の味わいを醸し出しています。陶土には木節粘土と言われる黒い木片や木の葉の化石が含まれた粘土と蛙目と呼ばれる粘土が使われます。これらの粘土はいずれも花崗岩中に含まれていた長石などが風化して粘土となったもので、耐火性がよく、適度の粘りがあって、焼き物には都合がいいのです。しかし、最近、こうした良質の粘土がとれなくなり、残されているのは、この三郷山一帯と言われており、信楽陶器工業組合が昭和42年にこの地域約331ヘクタールに鉱区権を設定、採掘の許可を受けています。私も現地を調査しましたが、やはりここは大切な信楽焼の粘土資源として残すことが大事だと痛感しました。信楽陶器工業組合も、開発されれば信楽焼の将来は資源不足で衰退することは申すまでもない、業界にとっては死活問題だとして、ことし9月町に要望書を提出、また私が地元の奥田、高橋両町会議員とともに組合を訪ねたときも、役員の方々から強い要望をお聞きしたところです。県の代表的な伝統産業の一つである信楽焼を守る立場から、リゾート対象地域から三郷山一帯を除くべきと考えますが、商工労働部長の御所見をお伺いします。  次に、第二名神建設と周辺環境への影響について、生活環境部長ならびに土木部長にお伺いします。  京阪神と中京圏を結ぶ新たな高速道路、近畿自動車道飛島神戸線、いわゆる第二名神のルート帯が去る8月末に建設省から示されて以降、通過予定の甲賀郡や大津南部では大きな問題となっています。この問題は、さきの代表質問で林議員も触れましたが、現名神は既に飽和状態で、その緊急性また地域活性化への期待感から歓迎する声とともに、通過ルートに直接かかわる地域では、集落が分断される、環境が破壊されるなどの影響を心配する声が上がっています。
     そもそも第二名神計画は、第4次全国総合開発計画で打ち出された新たな道路網整備の目玉の一つです。全国の主要都市間の移動に要する時間を3時間以内とし、日帰り可能な1日交通圏にするのがねらいで、第二東名とともに、東京一極集中を促進する基幹道路として位置づけられています。県の総合交通ネットワーク構想でも道路網整備の基軸に位置づけられています。私ども日本共産党は、こうした交通網を一律的に批判するものでなく、その必要性についても十分認識しているところです。しかし、道路網整備は、生活道路や地方都市間の整備を優先させるべきです。第二名神への住民の期待も、その利便性と関連生活道路の整備にあるわけです。ところが、空港建設と同様に、とにかく建設を急ごうとして、住民の合意もないまま、ルートも決定されたものとして押しつけるやり方や不十分な環境アセスは、周辺の環境破壊と集落の崩壊につながりかねません。そこで、具体的な問題を指摘して部長の答弁を求めたいと思います。  まず、建設省が示した幅250メートルのルート帯の県内通過地点は、土山町山女原から甲賀、甲南、信楽、大津南部を通り宇治へ抜ける予定で、全長約51キロ区間となっています。その間に甲賀町岩室地先、信楽町黄瀬地先にインターを、また大津市田上牧付近から現名神の連絡道も計画されています。このルート帯によりますと、甲賀町高野、甲南町池田の集落がいずれも2つに分断されてしまいます。池田では約30戸がその影響を受け、事業が実施されたら十数軒が立ち退かなければなりません。そのため住民から、集落を分断するな、民家は避けてほしいの声が出されています。私も関係住民の方々から実情を聞くとともに、建設省に対し、建設に当たっては、周辺の自然環境や生活環境に与える影響を十分調査し、関係住民の納得のいく環境アセスを実施し、住民合意を最優先することが大前提であると申し入れました。また、この地元説明会の中で、人家を避けてほしいという住民の切実な声に、変更したら、またかかる家が出てくると、関係住民の声に耳を傾けない建設省の冷たい態度を改めるよう強く申し入れてきました。私は、こうした実態を踏まえ、住民の意見を十分尊重した建設計画と進め方を貫くよう建設省に強く働きかけていただきたいと思います。土木部長の御見解をお伺いします。  2点目は、環境アセスの問題です。建設省が示した環境アセスは、その基準のとり方や数値に不十分さを残しているにもかかわらず、大気汚染などの評価はすべて環境保全目標を満足する、水質汚濁についても影響は軽微であるとして、計画の推進を図ろうとしています。しかし、例えば、現行の名神が4車線で1日約8万台の通過に対し、第二名神は、今から20年後6車線で大津一京都間で1日6万8,000台と予測していますが、実際にはこれ以上の数値となるのは火を見るより明らかです。今から5年前、同じ建設省が行った名神の栗東─瀬田間を4車線から6車線にするためのアセスでは、15年後、つまり平成12年の予測交通量を7万7,000台に設定し、環境保全目標満足結論になっています。ところが、現名神の交通量は、先ほども指摘しましたように8万台ですから、コンピューターを駆使した割には、わずか5年で予測値を大幅に上回ってしまったわけです。今後は車両の大型化、24時間都市化で、今以上の騒音、振動が予測されることは明らかです。また、排ガスも直噴式ディーゼル大型車は小型車の10から15倍と言われるだけに、走行車両や台数の予測設定値によって、その影響度は大幅に違ってくるわけです。さらに第二名神は、現名神と違って超高架道路です。地上約70から90メートル、20階から30階建てマンションが山合いにそびえ立つのと同じことになり、環境破壊は必至です。環境技術研究協会発行の環境アセスメントハンドブックによりますと、大気汚染や騒音だけでなく、地域のコミュニティー活動に影響を及ぼす地域分断の予測評価も、環境アセスメントにおける重要な調査項目としています。また、環境影響評価を通じて環境保全上の保障が得られない限り、開発計画は最終的には実施に移されてはならないとあります。こうしたアセスの重要性から見て、実態にそぐわないアセスでは、文字どおり形式を踏むだけのものになりかねません。県は環境庁や建設省に対し適切な指導を求めるべきと考えますが、生活環境部長の御所見をお伺いします。  もう1点、県の総合交通ネットワーク構想とも関練して、生活の足であるJRバスの存続について生活環境部長にお伺いします。  具体的には、土山町内を走るJR西日本バスの廃止計画についてです。この問題は、去る6月議会で具体的に数字を挙げ、その必要性を強調したところですので、繰り返しませんが、当初の廃止計画が来年3月末まで凍結されたものの、廃止計画が消えたわけではありません。私ども日本共産党は、さきの政府交渉の際、運輸省に対し強く存続を申し入れてきたところですが、教育の保障の観点からも、子供たちの大切な通学の足を守るために、県は今後もさらに一層運輸局に認可をおろさなよう働きかけていただくことを強く求めるものですが、現在の動きも含め、生活環境部長の御見解をお聞かせください。  次に、滋賀県広域農協合併基本構想について、県の基本的な考え方と指導のあり方について農林部長にお伺いします。  今回の広域農協合併は、1988年11月に開かれた第20回滋賀県農協大会で決議された広域農協合併と系統農協の組織再編に基づくもので、組合員の営農と生活向上、地域社会に対する貢献という農協の役割を安定的かつ積極的に果たしていくためとありますが、果たしてこの目的どおりいくでしょうか。農協の主人公である農家組合員や農協労働者にほとんど明らかにされないまま進められている実態から見て、合併の中心的役割は、組合員の営農と生活向上にあるのではなく、金融自由化のもとで過当競争に打ちかとうとする農民不在の生き残り戦略とも言えるもので、農協本来の事業を根底からつくり変えようとする大がかりなものです。計画では、現在県内に49ある単位農協を2年後には7つの農協に集約するというものです。全国ベースでは3,791の単位農協を21世紀までに1,000農協を目指すという大規模なものです。全国農協中央会では、合併の目標規模を正組合員3,000戸以上、貯金高300億円以上としていますが、県内の農協の場合、72%の36農協が正組合員2,000戸未満の小規模農協です。貯金高から見ても、多くが300億円以下となっています。 これらがすべて合併の対象となるわけです。農協というのは、もともと農家組合員によって組織された協同組合ですから、その経営基盤は、その地域に見合った、あくまでもその地域の組合員とその経営にありますから、規模の大小があっても当然です。ところが、今回の合併は量的な拡大でしかなく、形の上では強化されたように見えても、農家組合員の営農と生活向上に役立つものではありません。特に年々上乗せされる減反や米価の引き下げ、米の輸入自由化など、農業の一層の深刻化と地域農業が破壊されていくもとで、農家組合員の営農と生活、地域農業再建の核となるべき農協が、農協本来の使命を忘れて、一般企業と同じ論理によって組合員の利益より農協としての利益を優先させようとしているものにほかありません。それは、合併の方針としている事業量の拡大と事業実施体制の整備、不採算部門の切り捨て、人員削減と人員労務対策の強化、事務の合理化などを見ても明らかです。農協が合併して広域化すると、農家組合員の農協利用が著しく低下することは、これまでの大型合併の例で明らかで、農家の農協離れに一層拍車をかけるものです。現に小規模ながらも農家組合員の営農を重視している単位農協にとっては、必ずしも大きくなることを歓迎しているものではありません。  そこで、以下農林部長に4点にわたって質問いたします。  まず第1は、県は今回の農協の広域合併が地域農業再建の道につながると受けとめておられるかどうか、広域合併に対する基本的な考えをお伺いします。  第2は、現在の合併計画推進が農家組合員不在で進行している問題はさきに述べましたが、現在の進捗状況、合併の見通しや対象となる農協の対応などについてどのように把握されているのか、お伺いします。  第3は、合併による人員削減です。隣の三重県では,107の単位農協を14に広域合併する構想で、既にそのうち12農協が合併、そのことによって、合併後わずか1年間で約650人、全体の約1割強の職員が減ったと聞いています。滋賀県内でも合併によって大幅な人員削減が予想されますが、こうした事態を招かないよう県としての事前指導を求めるものです。  第4は、農協がとるべき対策は、農家組合員の生活向上と営農指導を強化することですが、県は農業の振興と農協のあり方についてどう考えておられるのか、どう指導されてきたのか、お尋ねします。  営農や安い生産資材、生活用品の供給など、農協が組合員に本当に信頼されるなら、信用事業も共済事業も広がります。推進のときしか農家に行かない農協では、銀行や保険会社と変わりません。農家と一緒になって考え、力を出し合ってこそ農協のよさが発揮できるのです。金融自由化を口実にした広域合併の押しつけは、農協の発展につながらないことを強調して、農林部長の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(岩永峯一君) 14番桐山ヒサ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎企画部長(飛彈直文君) (登壇)まず、ゴルフ場開発規制についての御質問にお答えをいたします。  ゴルフ場開発計画の国土利用計画への位置づけについてのお尋ねでありますが、12月1日現在、市町村国土利用計画に位置づけされているとの報告を受けているものは6町9カ所となっております。  第2点目のリゾート構想のゴルフ場計画についてでありますが、一昨日の林議員の代表質問に副知事がお答えいたしましたとおり、リゾート構想だからといって、ゴルフ場を特別扱いするものではございませんが、本県のリゾート整備の趣旨に沿いまして、より複合的、総合的な機能を持つリゾート地域づくりの一つの施設として計画したところでありますので、関係市町ともども環境に十分配慮しながら進めてまいりたいと考えております。  次に、信楽高原地区におけるリゾート計画についての御質問にお答えします。  社団法人民間活力開発機構等が進めようとしているグリーン・ステイ紫香楽計画は、家族と若者が楽しく交流できるイベントセンター、テニスコート、フィールドアスレチック、ゴルフ場とともに、コテージ、オートキャンプ場等の宿泊施設を設け、いずれも利用しやすい料金設定をし、簡素な中にも洗練された趣味を楽しむことができる施設展開が考えられており、陶芸を初めとする伝統文化に触れる場を提供し、あわせて森林の自然との触れ合いの場を整備すること等によって、地域の豊かな文化、歴史、自然を広く人々に親しんでもらおうとしております。  本県では、リゾート計画を進める目的の一つに、リゾート整備を通して地場産業を初めとする地域の諸産業の振興を図りながら、地域の活性化をねらいとしております。特に信楽町では、陶土の確保は大変重要な課題であると認識しており、リゾート計画を進める場合においても、産業振興との兼ね合いの中で十分注意を払っていかなければならないと思っております。グリーン・ステイ紫香楽計画では、現在、地元事業者にも事業参画を促しているところでございます。今後はこの計画が地元に受け入れられ、質のよい魅力的なリゾート地として、しかも地域の振興につながるよう、町を中心として、地元や周辺地域の関係者とご指摘の陶土の採掘、下流への排水等について事前に十分協議を重ねながら、計画の熟度を高めていくよう指導していきたいと考えております。  三郷山におけるリゾート計画につきましては、信楽町のみならず、広く地域の活性化に寄与するものと確信しており、信楽という地域の特色を生かした良質のリゾート地になるよう、信楽町とともに育ててまいる所存でございます。 ◎生活環境部長(前川利夫君) (登壇)第二名神についての御質問にお答えいたします。  国の実施する一定規模以上の事業については、昭和59年8月に閣議決定がなされた環境影響評価実施要綱に基づき環境影響評価が実施されることになっており、今回の第二名神建設事業に係る環境影響評価は、国の責任において、国の要綱および指針を基本に環境影響評価準備書が作成され、平成2年8月に知事あて送付されるとともに、御承知のとおり、9月1日から準備書の公告、縦覧、住民への説明会の開催、住民意見の把握が進められてきたところでございます。今後建設省から知事に対し住民意見の概要が送付されるとともに、準備書の内容について、公害の防止および自然環境の保全の見地からの意見を述べるよう求められることとなります。  県におきましては、知事あて送付された準備書について、現在学識経験者から成る環境影響評価審査会で、交通量の予測、高架道路の景観、通過車両に伴う騒音等の影響を含め、技術的見地から審査を願っているところであります。県といたしましては、環境影響評価審査会の審査結果を踏まえ、また今後送付される予定の住民意見の概要を慎重に検討するとともに、関係市町長の意見を聞いた上で、適切な意見を事業者である建設省近畿地方建設局長あて申し述べることといたしたいと考えております。  次に、JRバスの存続についての御質問にお答えいたします。  地方バス路線につきましては、マイカーの普及等による交通手段の多様化や過疎化の進展等により、輸送量が減少してきておりますが、今なお地域交通における基礎的な公共交通機関として重要な役割を果たしていると考えており、路線の存続は極めて重要であると認識しているところでございます。民営化された西日本JRバスにおきましては、利用者の少ない過疎地域の路線を多く抱えており、また現行の補助制度の適用を受けられないという制約もある中で、早期に安定的な経営基盤を確立し、地域に密着したバス会社として、今後ともその役割を果たしていくためには、乗車密度の極めて低い不採算路線の整理が不可欠であるとして、路線の再編成を進めております。  県といたしましては、さきの6月議会でお答えしましたとおり、西日本JRバスに対して、土山町を初めとするバス路線を安易に切り捨てることなく、公共交通機関としての社会的責任を認識し、存続を前提とした対策を講じるよう強く働きかけるとともに、監督官庁であります近畿運輸局に対しても、地元の合意なしには廃止承認をしないよう要請しているところであります。  現在のところは、その効果もあり、廃止期限を延長している状況ではございますが、民間企業としてのバス事業者の限界もあり、大変厳しい状況にあるところでございます。地元土山町においては、町議会や住民代表で組織する土山町路線バス対策協議会を設置して、その存続方策を検討されているところであります。県といたしましても、地域住民の利便性が著しく損なわれることのないよう、土山町と連携を保ちながら、輸送手段の確保について努力してまいる所存でございます。 ◎商工労働部長(高井八良君) (登壇)信楽高原地区のリゾート計画についてお答えします。  ただいま企画部長がお答えいたしましたように、信楽焼産地にとりまして、陶土の確保は大変重要な課題でありますので、今回のリゾート計画を進めるに当たりましては、陶土の確保という点で、関係者が十分協議を行う必要があると考えております。 ◎農林部長(豊田卓司君) (登壇)農協合併の4点についてお答えいたします。  まず、広域合併に対する考え方でありますが、農協は、近年の激しい農村社会の変化に伴い、正組合員の減少、混住化の進展によるニーズの多様化、組合員の農協離れなどが進み、その組織基盤が弱体化してきております。こうした中で、農協が地域農業の推進に本来的な役割を果たすためには、専門化した指導、相談体制の確立、組合員中心の事業システムの構築、情報処理の高度化などに対応する経営基盤の安定強化を図ることが大変重要な課題となってきております。このため、農協合併助成法を7次にわたって延長し、全国的に合併の推進が図られているところでありまして、本県におきましても、県下7農協の広域合併を目指しているものであります。県といたしましては、農協の自主的な取り組みを助長しながら、合併が円滑に推進されるよう、中央会あるいは経営研究会等を指導しているところでございます。  次に、進捗状況でありますが、現在6地区におきまして研究会が設置され、研究討議が続けられている状況でございまして、今後一定の方向を見出し得た段階で合併推進協議会に諮られ、最終的には各農協の特別決議により決定されることになります。  次に、合併する場合の人員管理についてでありますが、例えば、共通管理部門の合理化が進むことによって生じた余裕人員を営農指導等の専門分野に充てられたり、職員教育の充実や組合員サービスの向上等に向けられることも可能でありまして、結果として組織の体質強化に大きく寄与するものと思っております。  最後に、農業の振興と農協のあり方についてでありますが、申し上げるまでもなく、農協はその組合員の営農と生活を守ることを本来の使命とするものであり、県といたしましても、集落営農リーダーの育成を初め、積極的な施策を講じてまいっているところであります。農協においても、より地域に密着した日常活動により、地域農業推進のための中心的な役割を果たしていただけるものと、大いに期待をいたしているところであります。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) (登壇)第二名神自動車道についての御質問にお答えします。  建設計画と進め方につきましては、林議員の代表質問にお答えいたしましたとおり、国の要綱を基本といたしまして、1カ月間にわたって環境影響評価準備書が縦覧され、またこの間に関係地域17学区においてアセスメントおよび計画の概要について地元説明会が開催されたところでございます。この説明会は、17会場で延べ1,200人を上回る参加者を得まして、地域によっては深夜に及んで熱心な質疑応答が交わされるなど住民の方々との対話が重ねられたものと考えております。  なお、道路構造につきましては、今後整備計画が策定され、日本道路公団に施行命令が出た後、示されたルート帯の中で地元住民の方々と十分協議を重ねた上で、詳細な設計が行われることとなっております。県といたしましては、地元住民の方々の御意見をできるだけこの場で反映できるよう努力してまいる所存でございます。 ◆14番(桐山ヒサ子君) (登壇)1点は、企画部長に要望しておきます。  商工労働部長の方は、慎重に協議していくということでしたが、企画部長の方は、あくまでも進める立場で協議を進めるというふうなトーンだったのですが、1,200年の歴史を持つ信楽焼、しかも限られた資源です。今生きている者だけで食いつぶすのではなく、これから末代へずっと送り届けなければならないこの自然環境を守るということがやはり大事だと思うのです。また、地元の工業組合の方も、ある日突然会議に呼ばれて、第三セクターにという話で驚いたというふうな話も伺いました。そういう点では、地元との協議というのは、陶土を残す、しかもそこを除くという立場での協議の仕方に変えていただきたいと思います。  では質問します。  農林部長にですが、農協の合併ですが、何のために合併するのか、だれのために合併するのかという点では、今やられている方法は、対象地域の農家組合員や職員の方たちに、その計画の全容が明らかにされていない、そういう点で1つ大きな問題があると思うのです。また今、単位農協で、例えば甲賀郡では、石部や甲西が単位農協として頑張っている。営農指導や生活指導で大型化したところとどうかというと、やはりその地域に密着した昔からのわしらの農協という感覚が残っているし、何よりも農家組合員の激励や農家の人たちの生活向上というのが一番のねらいという点では、この合併のあり方については、もっともっと考慮していくべきだし、先ほど三重県の例を言いましたけれども、中途退職する職員の人たちが年間200人、しかも20代、30代でおられるそうです。滋賀県でも絶対あり得ないということではないと思うのですが、これは、農業の先行き不安と相まって、広域合併で一層拍車がかかっているという状況だと思うのですけれども、そういう点でも、今回の農協合併が、指摘しました過当競争、いわゆる金融自由化に対する過当競争、農協が強くなるためのものではなくて、農家が強くなるための、農家の暮らしに役立つための、そういう立場を貫くべきだと思うのですが、そういう点で推進協議会が計画の全容をどの辺まで明らかにして今日まで進められてきたのか、その点について農林部長にお伺いします。  土木部長にですが、地元の人が第二名神に期待をかけているのは、頭の上をすっと通ったらいいというのではなくて、第二名神が通ることによって、もちろん便利になることと、そして、やはりその地域がよくなること、だからこそ第二名神に期待がかかっているわけなんです。ところが、生活環境が悪化する、しかも環境が悪くなる、こういう点での心配に対して、国が決めた方針を押しつける、そういう努力は、今、17カ所、1,200人を対象に、一貫してこうだという一方的な説明のように聞いております。そういう点では、その努力を、活性化を願う地元の声を聞く努力にぜひ変えていただきたいのですが、そういう点で県がどの辺まで説明会などに対して力を入れることができるのか、また県独自での説明会を開くという点についてどういうふうに考えておられるのか、お尋ねいたします。 ◎農林部長(豊田卓司君) 農協合併に関連してお答えいたします。  農協合併の基本方針は、既に県中──県中央会および全中──全国中央会、農協大会で決議された基本事項でありまして、既に県中央会に置かれました農協合併推進本部、ここの広報活動により周知が図られておるものと理解しております。そして、かなりの農協において、議案である事業計画に合併の検討が位置づけられておりますし、組合員の承認を受けているところもあります。しかし、まだ農協役員の段階での議論にとどまっておるところもございまして、今後こういったところは議論を進めていかなくてはならぬ、このように思います。  それから、小さい、小ぢんまりした農協、確かにうまくいっている農協もございますし、あっぷあっぷしている農協もございます。これは、現在はよろしいけれども、中長期的に見ましたときには、果たしてこれでよいのかという問題も残ってまいります。私どもは、広域合併をすべしということで進めております。  それから、大きくなったらどうだということでございますが、農協は4部門を持ってございます。御承知のように、信用共済、経済活動、営農指導、生活指導の4部門を持っております。非収益部門である営農、生活面の指導、これは、収益部門によって支えられておることも事実でございます。これは、細かければ一定の限度がございますので、さらに飛躍しようとすれば、広域的に単位を大きくし、そして組合独自の活動もできるようにする必要があろうかと思います。  いずれにいたしましても、広域合併は進めなくては組合員のためにならぬことですので、頑張ってやらせていただきたいと思います。 ◎土木部長(宮尾悦夫君) アセスメントのことでございますので、これは、建設省が事業主体になって地元に説明するということで、私ども土木部の立場としましては、地元市町、また直接の地元、その間に入って、介添え役の形で参画しております。したがいまして、直接に意見を出すということもございません。ただ、建設省が円滑にアセスの地元説明ができるようにという立場で参画し、また説明会の全部の会場に出席しております。 ○議長(岩永峯一君) 以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。    ─────────────── △休会の議決 ○議長(岩永峯一君) お諮りいたします。  明15日および16日は議事等の都合により休会いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。      (「異議なし」)  御異議なしと認めます。よってさよう決定いたしました。    ─────────────── ○議長(岩永峯一君) 来る17日は定刻より本会議を開き、上程議案に対する一般の質疑ならびに質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後5時 散会    ───────────────       会議録署名議員        議 長  岩 永 峯 一             川 瀬 庄 平             仲 川 半次郎...